出版社内容情報
【第25回大藪春彦賞受賞】
寛文六年、豊後国・竹田藩で城代一族二十四人殺しという凄惨な事件が起きた。
一人逃げ延びた城代の次男・次郎丸は復讐のため、江戸で剣の腕を磨き、才次郎と名を変え、叔父で下手人である玉田巧佐衛門がいる竹田の地を十四年ぶりに踏んだ。再会した巧佐衛門は、堤の普請に汗を流す清貧の城代となっていた。憎む仇の意外な姿を知り、竹田小町と評判の巧佐衛門の娘・英里に恋心を抱くようになっていく。恋か復讐か、千々に乱れる心を抱きながらも、煮え滾る復讐心を支えに必ずや叔父を討つと心に誓うのだが……。一族惨殺の謎と竹田藩の秘密とは! 歴史ミステリー。
赤神 諒 (あかがみ・りょう)
1972年京都府生まれ。同志社大学文学部卒業。大学教授、弁護士。2017年「義と愛と」(のち『大友二階崩れ』に改題)で第9回日経小説大賞を受賞しデビュー。23年『はぐれ鴉』で第25回大藪春彦賞受賞受賞。主な著書に『大友落月記』『酔象の流儀』『戦神』『立花三将伝』『太陽の門』『仁王の本願』『誾』『佐渡絢爛』『碧血の碑』などがある。
【目次】
-
- 和書
- 遺族と戦後 岩波新書