出版社内容情報
昭和二十九年、ひとりの女性占い師が“ある恨み”を抱えながら、政界と財界を舞台にのし上がっていく姿を描く、激動の昭和史。
内容説明
昭和二十九年。赤坂にある東京最大級のナイトクラブ「ニュー・サボイ」でホステスとして働きだした貴美子は、ただならぬ雰囲気をまとう男・鬼頭清次郎と出会う。先生、と呼ばれる彼に「いつか占い師として生計を立てたい」と告げた貴美子は後日、大邸宅に招かれ―。戦後、高度経済成長に向かう日本の政財界の裏側で、ひとりの女性が“ある恨み”を抱えてのし上がっていく姿を描く圧巻の復讐劇。
著者等紹介
楡周平[ニレシュウヘイ]
1957年岩手県生まれ。米国系企業在職中の96年に書いた『Cの福音』がベストセラーになり、翌年より作家業に専念する。ハードボイルド、ミステリーから時事問題を反映させた経済小説まで幅広く手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
481
物語のフレームと、突拍子ない出来事にリアリティを吹き込む筆致はさすがで良いと思う。あまりに偶然が重なりすぎて、簡単に復讐のピースが揃ってしまう流れや、鬼頭の例を知っているのに貴美子にまったく監視をつけない鴨上に、真近で見ても貴美子に気づかない清彦など、肝心なところは相手が規格外の間抜けであること前提で進められる計画はちょっと安直すぎる。現実の事件や人物とシンクロさすることで、かろうじて大人な読み物として担保できているが、清彦のパートの方が面白く、貴美子の存在感が弱くなってしまうという弱点にもなっている。2025/11/30
starbro
178
楡 周平は、永年に渡って新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、戦後の昭和史、実際の事件や人物をモデルにした政財界フィクサー復讐譚、エンタメとして楽しみました。最後にタイトルの意味が解りました。CIA恐るべし。 https://bunko.shueisha.co.jp/library/mendori/2025/07/26
いつでも母さん
142
これは松本清張オマージュか?フィクサー鬼頭(ありがち?)に見出され、後継の鴨上と共にのし上がる女・貴美子の復讐物語。戦後日本の混乱期から昭和バブルの政財界を色々復習した感じ。なんだかそこから一歩も成熟していないようなこの国は一体どうなるのだろ(まぁ、それはそれとして)鴨上を失脚させ全てを掌に掴んだはずの貴美子が、かつて自分を裏切った男に復讐する件はそんなにうまく行く?とニヤリとしながら読んだ。圧巻はラスト!雌鶏=貴美子だと思った私・・楡さんにやられちゃった読後感。お見事でした。2025/06/07
あすなろ@no book, no life.
102
計528頁に成る久しぶりの楡氏作品。終戦後からの政治フィクサーとの絡みと女性占師という最近あまり見ない類の粗筋に惹かれて。結果は、エンターテイメントとして、ピカレスク小説として面白かった。というのも、大別すると前半は僕の興味通り惹き入れられた。一方で後半は少し偶然要素が過ぎる基調がないかな、と。但し、エンターテイメントとして楽しめ読まされてしまう。一方で全域に流れる背景の経済事情や政治事情は興味深くリアリティを添えている。2025/11/23
KAZOO
100
日本の戦後の様子がよく描かれていると感じました。私は比較的好きな作品でした。若い男女が終戦後に生きるために別れ別れになり、そこに裏社会の大物がからんでいきます。女性の方は、京都の占い師として政治家や実業家の間で有名になり、それによって大物は権力を握っていきます。男性はアメリカ兵を殺したことから大阪に逃げて金融業者として名を馳せます。波乱万丈の面白さで、ロッキード事件がおきて・・・・。ある意味、女性の復讐の物語ですかねえ。2025/05/03
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