出版社内容情報
老人が世話する傷ついたカラスを見に行った信吾は……。彼を訪ねて色々な訪問者も登場する全四話。大好評江戸人情シリーズ最新巻。
内容説明
将棋客の老人が、傷ついた烏を世話しているという。動物と話ができる信吾は興味を惹かれ、会いに行く。嫌われることの多い烏だが、そのカア助は…(「烏がやって来た」)。岡っ引の権六親分とその息子、吾一の心温まるお話や、ある日突然一家ごと姿を消した幼馴染との逸話など全四話。思わずホロリとさせられる話もある中、なぜ本書が「騙された!」と題されているのかは、全て読み終えてのお楽しみ。
著者等紹介
野口卓[ノグチタク]
1944年徳島県生まれ。立命館大学文学部中退。93年、一人芝居「風の民」で第三回菊池寛ドラマ賞を受賞。2011年、『軍鶏侍』で時代小説デビュー。同作で歴史時代作家クラブ新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダミアン4号
31
シリーズ物とは知らずに読む。宮部みゆきの“きたきた捕物帳”と畠中恵の“しゃばけ”シリーズの中間の様な雰囲気。5作目だそうですが…さて1作目から読むかどうか微妙だなぁ…主人公は“将棋会所”と“相談屋”を営む老舗料亭の長男(実家の跡目は弟に譲っている)。若干20歳で二つの見世を軌道に乗せているのだから結構なやり手。動物の心の声を聴き会話する特殊な能力を持ち、気立ての良い奥さんと子供にも恵まれ順風満帆…今回は新しい家族(カラス)も加わる。娘の七五三(赤ちゃん)の笑顔に蕩ける強面の岡っ引きの親分…気持ちわかるなぁ2025/05/12
onasu
10
通算20冊目は、(厳密に言えば)相談屋に客は現れないし、将棋会所でのあれこれもなし、というちょっとした味変作。 初編は烏との会話が楽しめる好みの作だし、3編目は前編で紹介のあった岡っ引きの権六の息子・吾一が岡っ引きの修行の傍ら訪ねてくるという宿題の話しで、今回も気軽に楽しんでこられましたが、タイトルの終話はちょっといただけなかったかな。2025/03/06
kupukupu
6
初作家さん。長く続いているシリーズ物と知らずに最新刊を図書館で見つけて「おやこ相談屋」って面白そう!と思って借りたのだが、本作では相談屋としての仕事は全く無かったので期待外れでした。残念。2025/03/10
goodchoice
1
おやこ相談屋シリーズの6作目となり、七五三の成長も楽しみだ。今回は相談ではなく、信吾のまわりで起こった事件を中心に綴られていた。こういうのもありかな。2025/03/09