出版社内容情報
徹底した取材を重ね、リアリティーにこだわる経済小説の旗手が、戦後から今日に至るファッション産業の栄枯盛衰を描く、傑作長編!
内容説明
「俺、東京に行きてえんだ!」昭和28年、山梨県の貧農生まれの田谷毅一は、高校卒業後、親の反対を押し切って東京・神田の小さな婦人服メーカーオリエント・レディに入社。既製服メーカーが“つぶし屋”と蔑まれる中、人並み外れた努力と才覚で会社を急成長させる。高度経済成長と既製服の普及の波に乗り、事業はますます大きくなるが―。日本経済の栄枯盛衰とアパレル産業の裏側を活写する長編。
著者等紹介
黒木亮[クロキリョウ]
1957年、北海道生まれ。早稲田大学法学部卒業、カイロ・アメリカン大学大学院修士(中東研究科)。都市銀行、証券会社、総合商社勤務を経て、2000年、国際協調融資をめぐる攻防を描いた『トップ・レフト』で作家デビュー。大学時代は箱根駅伝に2度出場し、20kmで道路北海道記録を塗り替えた。ランナーとしての半生は『冬の喝采』に綴られている。1988年より英国在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タルシル📖ヨムノスキー
22
戦後から平成20年代までの日本のアパレル業界を取り巻く出来事を、オリエントレディという架空のメーカー(モデルはあるらしい)を通して描いた物語。上巻は戦後の立ち上げから昭和50年代のバブル崩壊前まで。その当時の日本のようにアパレル業界も常に右肩上がりでイケイケドンドン状態。登場人物の気持ちはあまり語られず、その時代の出来事とアパレル業界の変遷を淡々と積み重ねていく感じなので新書を読んでるような印象。ところで途中にあった作家・遠藤周作氏が灘校で講演する話はなんだか唐突な印象だったのだが、下巻に向けての伏線?2024/07/13
はかり
15
題名に惹かれて購入したが、内容はもう一つ。架空のアパレルメーカーが台頭してゆく物語。実際にあったことを取り混ぜて描くので、本当のことかと錯覚させる。しかし、内容はあまりにも軽い。これは失敗かも。2024/06/07
Mark X Japan
11
戦後のアパレル界がよく分かります。様々な外的要因に翻弄されない、普遍的な理念が大事です。下巻は、社長交代よりも、とんでもない不正絡みの事件が中心になりそうです。☆:4.52024/08/12
sekkey
7
上巻は戦後から70年代まで。小説ながらアパレル、ファッション業界だけでなく政治、経済の歴史的な流れも楽しく概観できる。主人公が山梨から上京するので山梨の高校名や甲州弁が随所に出てきて懐かしさを感じた。2024/07/27
鈴木 千春
5
読書会からアパレル業界にいた方からまわってきた。 戦後のアパレル業界を実メーカー名で。 だが、主人公の在籍社はオリエント・レディと。 (なぜ?と思い検索したらどうやら東京スタイル) 時代背景も取り入れながら、懐かしく読みやすく楽しめた。 唐突感ある事象が出てくるが、単なる時代背景としてなのか? 下巻を読めばわかるかな〜2025/01/27
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- 和書
- 新神戸の町名