出版社内容情報
執筆に行き詰まった紫式部は、素性を隠して清少納言に近づく。ところが、宮中で起きた霊鬼騒動が、二人にまさかの展開を呼び!?
内容説明
紫式部は執筆に追われていた。「源氏物語」を餌に、帝の関心を愛娘・彰子へと向けさせたい藤原道長から、続きを催促されているのだ。創作の手がかりが欲しい紫式部は、素性を隠し、荒れ屋で暮らす清少納言の元を訪れる。そこで、皇后定子の霊鬼が宮中を徘徊しているという噂を、うっかり口にしてしまい―。小競り合いばかりの二人が、霊鬼探しでまさかの共同戦線!?超展開の二大女房大決戦!
著者等紹介
瀬川貴次[セガワタカツグ]
1964年生まれ。91年『闇に歌えば』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のこ🐈
91
読み始めたらおもしろくて一気に読了。「なんなのそれは、どういう設定なの」には思いっきり笑わされました。後ほど種明かしがあって、ナルホド、となったり。紫式部についても清少納言についても、著作を少し読んだことがあるくらいでほとんど知らなかったのですが、少し知識が増えたと思います。それと、真夜中に読んでいたのでモノホンが出てきた時にはちょっとゾワゾワしてしまいました。解決したと思ったらやっぱり出るんかい!みたいな。書くこと、書き続けること、生きること、愛すること、恐れないこと。色々な言葉が胸に響いた一冊でした。2024/01/26
mahiro
31
中宮彰子に仕える為出仕した紫式部は源氏物語の続きを期待されスランプ気味に…御所では亡き定子の霊が出るという噂が広まる。そんな中尼になった清少納言と出会い何故か協力して幽霊騒動の謎を解く…尼になっても清少納言相変わらず定子様一筋パワフルでかっこいい、名を隠した式部をあっさり見抜き容赦のない言葉で作品を批評、式部も言い返し喧嘩しながらも何だかいいコンビだ、恋多き女和泉式部も出てきて問題も解決。騒動のお陰でスランプを脱した式部、ぶつかり合いながらもお互いを認めている少納言と式部、続編があってもいいのに。2024/05/11
ルチル
24
「光る君へ」をやってるから読んだんじゃなくて、瀬川さんがこんな時に出版するからだー! 出仕時期に若干ずれがある二人と、そんなに美人でもないし控えめなのに凄まじくもてる和泉式部が物の怪騒ぎを解決するという、瀬川さんの十八番が炸裂。最後のタネ明かしには、意外と信憑性あり(冲方丁「月と日の后」読むと、藤原彰子がどんな女人だったか分かる)。シリーズ化できそうだけど、先に「ばけもの好む中将」の続き書いてください。清少納言てあんな随筆書いてるけど、気が強かったとは限らないと思うんだけどな。まあ偉そうではあったかも。2024/02/12
びっぐすとん
24
「ばけもの好む中将」ほど笑えるポイントはなかったけど、紫式部は好印象。一条天皇の皇妃は定子と彰子(あとは気の毒なエピソードのある元子)しかスポットが当たらないけど、弘徽殿女御や暗部屋女御も出てきて、紫式部と清少納言がタッグを組むというのが面白かった。欲を言えばせっかく2人が組むのだからミステリー部分がもう少し凝ってたら良かったかな。続編があるならその辺を期待したい。それにしても1人の女性だけを愛することが許されない帝も、他の女性を忘れられない夫を愛するのも、蚊帳の外のような他の妻も、皆辛いよね。2024/01/23
み
22
さくさくと♪解説が面白い(◠‿・)—☆和泉式部に、むっちゃ興味を持ちました。いつか読もう!源氏物語も、いつか再読しよう!枕草子は…。2024/09/20