出版社内容情報
高校卒業を控えた11月、登山中の一瞬の出来事が彼らの人生を変えた──。32年にわたる男女の友情と愛情を描く青春群像大河小説。
内容説明
軽井沢育ちの稀世と英次、東京から避暑にくる未来子と創介は、高校卒業の年に浅間山に登る計画を立てる。将来の夢を語り、互いに友情とほのかな恋心を抱く4人だったが、悲劇が起こる。英次の滑落死。18歳にして業を背負った3人は、人生の節目のたび邂逅と別れを重ねる。離職、結婚と出産、絶縁状態の親との再会などを経て、50歳を前に彼らはそれぞれにある選択を―。32年にわたる大河恋愛長編。
著者等紹介
唯川恵[ユイカワケイ]
1955年金沢市生まれ。金沢短期大学卒業。銀行勤務を経て84年「海色の午後」で第3回コバルト・ノベル大賞受賞。以後、恋愛小説やエッセイを発表し、2002年『肩ごしの恋人』で第126回直木賞受賞。08年『愛に似たもの』で第21回柴田錬三郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きょん
48
2007年の作品。実は既読かもしれないと思い(タイトル変えて文庫になってるとか)読んでみたら未読作品だった。浅間山での遭難事故をきっかけに3人の人生が変わる。出会いと別れ、それぞれが罪を背負って生きる姿が痛々しい。波瀾万丈の人生を送る3人はあの一瞬がなければという思いを抱えて生きている。人生の節目というのは誰にでもあるし、たらればを言い出したらキリがないけれど一人の死によって遺された者の生き方を問われているように感じた。2024/02/26
あきひと
7
高校卒業記念に浅間山登山をする男女それぞれ2人ずつ。そのうちの男子一人が滑落死してしまう。残る3人のそれぞれの人生は、自責の念から離れられず30年が経ってしまうという物語。山岳小説かと思ったが、恋愛小説でした。裏表紙にもそう書いてありました。。元は新聞連載とのことで、いくつもの小波が来ますが、印象薄。2024/03/24
かぐや.
6
小学生時代の友達4人の32年間。優しい文章で穏やかな気持ちで読み終えた。登場人物みんな良い人で、でもそれぞれ個性的で惹き込まれた。浅間山含め情景描写が上手く景色が目の前に浮かんでくる。2024/11/10
bela
6
幼少期から仲間だった男女四人、高校卒業記念に浅間山に登山するも仲間の一人が事故死してしまう、残された三人の事故から32年にわたるそれぞれの人生を描いたお話。業を背負い生きていくこととなった三人の青年時代から中年になるまでの年の重ね方にとても共感でき、これが大人になるということなんだよなぁと。分別をわきまえてる大人の三角関係なのだが、友情や恋愛を越えた形で繋がっていた三人が大変良かった。軽井沢と浅間山の魅力が十分に伝わってくる作品。2024/04/04
みくに
5
タイトルはどんな意味だったのかなあ。何というか古いドラマを見ている様。地味な主人公が不幸な目に会ったりでもやたらモテたり。次に来る展開がだいたいわかる。最後まで。2024/09/14