出版社内容情報
身寄りのないお糸は縁切り状の代筆をする「縁切り屋」。お客の兄弟や親との縁切りの難題に向き合いながら、好きな男との将来に……。
内容説明
身寄りのないお糸は代書屋をしている。縁切り状が評判となり「縁切り屋」の仕事も増えたが、夫婦約束をした熊蔵に隠し子がいたので長屋の皆に心配されている。ある日、油問屋の娘おしげが、弟への縁切り状を頼みにきた。放蕩をしていた弟が戻ったので、自分が身を引いて家を出ると…。親兄弟、惚れ合った仲など、難しい縁切りに寄り添い手助けするお糸。別れの切なさと縁の温かさを描く青春時代小説。
著者等紹介
泉ゆたか[イズミユタカ]
1982年神奈川県生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。2016年『お師匠さま、整いました!』で第11回小説現代長編新人賞を受賞し、デビュー。19年『髪結百花』で第8回日本歴史時代作家協会賞新人賞および第2回細谷正充賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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陽ちゃん
9
シリーズ4作目ですが、前作を読んでいないので、冒頭の展開に驚きました。相変わらず縁切り状を請け負っているお糸ですが、育ての親との再会と別離、所帯を持ってもいいと思った熊蔵との関係と、彼女自身にも転機が来た感じですね。お糸がこれからどう動くのかは分かりませんが、周りが見守ってくれているのは心強いんじゃないかな。そして、お糸の小さなブレーンの奈々のところにも変化がありそうな感じです。2023/11/03
あずとも
6
前作気になる所で終わっていて今作で解決かと思ったけれど、それだけでなく養い親との再会等お糸に様々な出来事が。「女は己の手でしっかり幸せを掴まなくてはいけません」作中のお糸のこの言葉が凄く印象的。彼女の結婚はどうなる?結果はどうあれ幸せになって欲しい。2023/09/30
チェス
1
まだまだ続きますなぁ。お奈々ちゃん可愛い、2024/03/20
好奇心
0
主人公である、お糸の生業は、今で言う代書屋であろう、戦前いや小説の舞台である江戸期には読み書きの出来るひとは、武士・僧侶を除いては、ごく少人数であったことが想像できるので、商売として成り立っていたのであろう、縁切り状を主に代筆した? 他人の縁切り状は書けただろうが、自分が思いを寄せる熊蔵には、なかなか書けない様子が年頃の娘らしい恋心か・・・・あっさり読ませて貰った2023/11/27