出版社内容情報
海と山に囲まれた、猫がたくさんいる町で、今日も誰かが恋をしている──。不器用な大人達の、痛くて優しい恋愛連作短編集。
内容説明
お節介を焼くのは、暇だからだ―海と山に囲まれたこの町で、今日も猫たちは人間の恋を見守っている。「オレと、つき合ってくれませんか!」「いや、無理です」憧れの年上女性に失恋した大学生の渉。「前に進むって、なんだと思う?」大切な恋人の“不在”にもがき続けている会社員の千咲。苦しくて、切なくて、でも時々うんと幸せで、諦められない。そんな大人たちの、痛くて優しい恋愛連作短編集。
著者等紹介
櫻いいよ[サクライイヨ]
2012年『君が落とした青空』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
260
5話連作短篇+プロローグ,エピローグ。いいよさんは何冊か読んでいる気になっていましたが、お初でした。なんと無しに、爽やか青春であったり、ほのぼの系の話を想定していましたよね。所がどっこい実際の所は、ビターと言うよりもダーティーな感じがしなくも無い物もね。猫の心理描写は、きっとこんな風に思っていそうだなぁって感じですし、人との距離感が丁度良く思いました。併し人の恋は、駆け引きみたいな物を超えて、倫理的に如何な物かと言いたくなる事等もあり、床に尻尾をペチペチしながら読む羽目になりましたよ。2024/06/26
よっち
37
海と山に囲まれたこの町で、今日も猫たちは人間の恋を見守っている。苦しくて切なくて、でも時々うんと幸せで、諦められない。そんな大人たちの、痛くて優しい恋愛連作短編集。バイト先のコンビニでいつも出会う憧れの年上女性に失恋した大学生の渉。幸せな未来が見えない不毛な恋と決別した美海、久しぶりに帰省して元カレに再会する春樹、似たような境遇に共感していた推しの炎上、大切な恋人の不在にもがき続けている会社員の千咲。どこかで繋がる同じ世界観の中で描かれた、猫たちに見守られながら癒やされてゆくとても優しい連作短編集でした。2023/09/11
わむう
22
ねこが紡いでいく恋愛短編集。2024/12/25
なみ
22
猫たちの住む町を舞台に、様々な恋を描いた恋愛短編集。 読み進めるにつれて『恋』という言葉の意味がどんどん広がっていくように感じられました。 最後の一文もすごく好きです。 猫たちがとにかく可愛くて格好よくて優しかった。もふもふしたい。 もちろん、にんげんたちも魅力的です。思わず応援したくなる男子大学生の渉くんが特にお気に入り。 悲しみや痛みをしっかり描きつつも、それ以上に優しく包み込んでくれるような、素敵な作品でした。2023/09/09
まぁみ
19
恋愛短編集ってかアンソロジーかな。猫!君たち最高です!猫たちが集まり人間の話をするところなんて愛さえ感じました。寄り添い方が素晴らしい。いろいろな恋があり、いろいろな人間関係があり、全体的にとても優しい雰囲気が流れる物語たちでした。野良猫(保護猫)だけではなく、飼い猫も登場する。リアルでした(笑)。猫は偉大な神だ。続編って期待したらダメですか?読みたいなぁ。サンタに会いたいなぁ。2023/12/04
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- 和書
- Michi