出版社内容情報
不倫相手を殺した人妻しずかの弁護を引き受けた鶴見。殺人を認めながら、不倫を否定するしずかの真意に迫るが……。書き下ろし長編ミステリー。
内容説明
河合しずかは、不倫相手の作家・諸岡を刺殺して逮捕された。弁護人となった鶴見は、しずかが殺害を認めながら、不倫を否定し関係を黙秘することに疑問を抱く。調べると二人には、枝川紀代彦という画家と接点があった。枝川はしずかと同じ京丹後の生まれて五年前に自殺していた。鶴見は真相を求めて京都へ向かうが…。罪で繋がれた者たちが秘めた悲劇の真実とは!?書き下ろし長編ミステリー。
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年東京都生まれ。83年、データベース会社に勤務の傍ら執筆した『原島弁護士の処置』で、第22回オール讀物推理小説新人賞を受賞。88年『絆』で第41回日本推理作家協会賞、90年『土俵を走る殺意』で第11回吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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いつでも母さん
159
鶴見弁護士シリーズ!いつにも増して難しい(汗)18年前の事って、どれ位思い出せるだろう・・なんてそっちに私の気持は振れて情けない次第。そもそも絵から翳を読み取ることもできない私だが。今作は何となく推察が多すぎて正直ちょっと冷めてしまって乗り切れなかったのが残念(って、自分の読解力不足を露呈)真実が明らかになれば傷つく人がいると言って、自分を犠牲にするしずかに共感出来なかったってことだろうなぁ。2023/06/05
まるぷー
20
河合しずかは人気コメンテーターの諸岡を不倫の別れ話から刺殺したと逮捕され、鶴見京介が弁護人となる。事件を調べるうちに若手画家枝川紀代彦の三枚の絵や死、諸岡の父親の事故死が関連し、その事がしずかの事件に連鎖として繋がる。しかし、しずかは真相を話さない。京介はしずかの故郷である京丹後に赴き五年前の紀代彦の死の裏付けをとる。「真実を知ることにより傷つく人がいる」としずか。京介は「自分の幸せを守ることが肝心」と。活発に動く京介だが、証言者が18年前や5年前のことを綿密に覚えているものかと違和感もあった。 2023/10/03
ちゃんみー
20
ウソにウソを塗り重ねると、結局は幸せな未来は訪れない。2023/08/21
みりん。
3
著名な作家を刺殺したとして逮捕された女性、河合しずかの弁護を引き受ける鶴見弁護士。不倫の末のもみ合いと見られたが、断じて否定するしずかだが、真相を語ってはくれない。。。 作品を貫くキーワードとして一枚の絵、画家の存在があり、ここを軸に京丹後も舞台にしつつ展開する。民謡などもでてきて叙情風景が秀逸。作品を通して流れるゆったりとどこか温かい空気感は、鶴見弁護士の静かな信念にも重なる。2023/05/14
まっきー
1
シリーズものと知らずに読了。 証言者の記憶力で成り立ってる話だった。2025/02/04