出版社内容情報
脅し。暴力。独断専行。検挙率の高さに反して、高樹良文の捜査一課での評判はすこぶる悪かった。大人気老犬シリーズの第2弾。
内容説明
脅し。暴力。独断専行。検挙率の高さに反して、高樹良文の一課での評判は悪かった。政治家を背後に巻き込んだ連続殺人事件の捜査でも、獲物を追う姿は変わらない―はずだった。関係者として親友・幸太が浮かび上がる瞬間までは。捨てた美しい思い出が蘇り、何かが狂い始める。追走劇の先に待ち構える真実は。獣よ、生き続けよ、最後が絶望だとしても。高樹刑事の背が翳りゆくシリーズ第二弾。
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年唐津生まれ。中央大学法学部卒業。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で第4回吉川英治文学新人賞を、85年『渇きの街』で第38回日本推理作家協会賞長編部門を、91年『破軍の星』で第4回柴田錬三郎賞を受賞。また、2004年『楊家将』で第38回吉川英治文学賞を、05年『水滸伝』(全19巻)第9回司馬遼太郎賞を、07年『独り群せず』で第1回舟橋聖一文学賞を受賞。10年に第13回日本ミステリー文学大賞を、11年『楊令伝』で第65回毎日出版文化賞特別賞を受賞し、13年に紫綬褒章を受章。16年第64回菊池寛賞を受賞。20年旭日小綬章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
64
〈老犬シリーズ〉2作目。27歳になった高樹良文は警視庁捜査一課の刑事になっていた。検挙率は良いものの1匹狼で独身。政治家が背後に絡む連続殺人事件の捜査で幸太と再会。出会った瞬間から破滅を予測させる展開。「やめてくれ」と願いながらページをめくる手が止まらない。男の匂いが湧き上がってくる文章、ハードボイルドの面白さをぎゅっと濃縮した作品。胸を締め付けるような痛みと共に読了。2024/05/04
taku
14
― 感想も、ハードボイルドに ― 外は、雪が舞い散っている。開いた本は、シリーズの二作目。一作目は、まだ手を付けていない。順番に読むことが、重要だとは思わない。本というのは、生きることの意味が書いてある、と私は思う。あるようで、ない。ないようで、ある。本を閉じると、風は静まり返っていた。 2025/01/30
あいあい
4
「老犬シリーズⅡ」。いかにして高樹刑事があのおいぼれ犬となったのか。もう、泣かせる。読点の多い短文のリズム。身体と身体のぶつかり合いのシーンにおける体言止め(というより単語一語だけのセンテンス)。酔わせるセリフ。登場する男達がことごとくかっこいい! そして甘いセンチメンタリズム。これぞ北方節。これぞ俺の愛したエイティーズ・ハードボイルド。「挑戦!シリーズ」再読しようかな。2023/05/14
にやり2世
1
終盤はどうか自分の予想する結末になりませんようにと祈りながら読んでた。2025/05/07
えみねむ
1
図書館2025/03/09