出版社内容情報
正室築山殿たち親族の女と、戦国を共に生き抜いた側室や北政所ら戦友たる女たちが語る私だけが知る家康! 大河と楽しむ歴史小説。
内容説明
人質暮らしの幼い家康を養育した祖母華陽院。父に離縁され、赤子の頃別れた母於大の方。正室となり息子を生んだが、無残な最期を迎えた築山殿。関ヶ原の戦いまでの戦乱を共に生き抜き、盟友となった北政所。側室となり、豊臣方との交渉役を務めた阿茶局。徳川と天皇家を結ぶ役目を背負った孫の和子。世継ぎ決定の為、駿府に向かった家光の乳母春日局―。「私」だけが知る真の姿を描く家康小説7編。
著者等紹介
植松三十里[ウエマツミドリ]
静岡市出身。昭和52年、東京女子大学史学科卒業後、婦人画報社編集局入社。7年間の在米生活、建築都市デザイン事務所勤務などを経て、フリーランスのライターに。平成15年「桑港にて」で歴史文学賞受賞。平成21年「群青 日本海軍の礎を築いた男」で新田次郎文学賞受賞。同年「彫残二人」で中山義秀文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みっちゃん
139
「私だけが知っている」かの家康を間近で見ていたはずの7人の女性達が自ら語る、様々な事件での彼の振舞い、事の顛末。通して読めば、家康の年代記となる。印象に残ったのは、今、大河ドラマの中で仲睦まじく暮らす二人よりも、やはりこちらが実像であろう、と思われる『築山殿』の章と、母於大が語る家康の異父弟、松平康俊の過酷な生涯。戦乱の世に生まれなければ、もっと違う人生を歩めたであろうに、歴史の荒波に翻弄された生涯であった。2023/03/10
ポチ
48
家康に関わりのある7人の女性達。やはり印象に残るのは築山殿。最後に放ったひと言に思わず鳥肌が…。2023/04/11
p.ntsk
33
華陽院(祖母)、築山殿(正室)、於大の方(母)、北政所、阿茶局(側室)、徳川和子(孫)、春日局(孫の乳母)など周りにいた女性たちがそれぞれの人生の節目に起こった出来事と共に語る家康の姿。それは一般的な家康像とは違ったひとりの人間として苦悩する姿。人は立場が違えば見え方もまた違うもの。近しい者それぞれの目から見た家康は新鮮であり面白かった。 2024/12/30
布遊
33
家康の周りの7人の女性目線で書かれている。華陽院・築山殿・於大の方・北政所・阿茶局・徳川和子・春日局。この時代は、戦のことが書かれていることが多いが、こう言った女性目線も面白い。華陽院のことは、知らなかったが、菩提寺は実家の近くであり行ってみたい。それにしても、当時は何歳になっても何回も嫁ぐことが、普通だったことに驚く。2023/09/30
きさらぎ
24
タイトル通り、女性から見た家康。妻、母、祖母など、家康の近くにいた女性が語る家康像は、今まで抱いていた忍耐強いだけのイメージとは少し違う。女性の目から見た弱い部分、情け深い部分が好ましく感じる。信長や秀吉と比べると地味で人気もさほどない武将だけど、今年は大河ドラマにもなり、そちらも楽しんでいる。2023/04/14
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