出版社内容情報
眼、鼻、腕、脚、胃……愛しい身体が恐怖の器官に変わりはじめる! ホラー小説ファン必読の傑作が新装版で登場。
内容説明
首屋敷と呼ばれる空家の地下室にたたずむ、不気味に着飾られた人体模型。忍び込んだ少年がその胸元に耳を押し当て聞いた幻妖と畏怖の12の物語。妻の胎内に悪魔が宿っていると言われた夫は…(「邪眼」)。鋭敏な嗅覚を持つ女性を襲う異臭(「はなびえ」)。人面瘡評論家の私を訪ねてきた男のおぞましい秘密(「膝」)。眼、鼻、腕、脚、乳房、性器。愛しい身体が恐怖の器官に変わる―ホラー小説の極致!
著者等紹介
中島らも[ナカジマラモ]
1952年兵庫県尼崎市生まれ。大阪芸術大学放送学科卒業。92年『今夜、すべてのバーで』で第13回吉川英治文学新人賞、94年『ガダラの豚』で第47回日本推理作家協会賞受賞。著書多数。2004年7月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
95
人体を構成する器官に纏わるホラー短編集である。まるで 世にも奇妙な物語を見るかのように、軽快に物語は進む。 体を構成する個々の器官に着目した 奇想天外なホラー短編集だった。2024/08/16
nuit@積読消化中
61
【日本の夏は、やっぱり怪談2023年】〈其の一・和編〉参加中です。積読本消化月間。中島らもさんのホラー短編集。懐かしさもありつつも、やっぱり面白い作家さん。らもさん限らず、90年代近辺の日本の怪異譚は味わい深くて、なんだか個人的にはツボです。実際は文庫ではなくて単行本で読みました。2023/07/21
つばめ
52
らもさん初読み。人間の眼・鼻・腕・脚など12の部位にまつわるホラー短編集。無駄なく簡潔で怖いという感想。各話、語り出しはグッと引き寄せておいて、終わり方はどう捉えるか考える余地を残している所が面白くもあり怖さを掻き立てるでもあり。個人的には『セルフィネの血』と『貴子の胃袋』が印象に残ってる。前者はラストがエグすぎてどう考えてもバッドエンドにしか見えないし、何より海の中の生き物の不気味さが。後者は菜食主義に対してじゃあ植物は同じ命じゃないの?という問いからの暴走。SFちっくな話もあり、面白かった。2023/05/01
優希
47
おどろおどろしいホラー短編集でした。バラエティ豊かな作風ではありますが、終わり方は全てシュールです。ホラーでもらもさんらしさが味わえました。2022/08/03
kum
28
1995年に刊行されたものの改訂版。首屋敷で人体模型の胸元に耳を寄せる少年から始まる、おどろおどろしいホラー短編集。ギャーとのけぞるものから気持ち悪いもの、笑うしかないものまで、バラエティ豊か。夏だしと思って久しぶりにホラーを読んでみたものの、お腹いっぱいでしばらくはいいかなというのが正直なところ。2022/07/31
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