出版社内容情報
若い娘が大先生を訪ねてきて、隠し子騒動が勃発! 大先生は娘の住む沖縄へ。心と体の病に真摯に向き合う医師の下町人情物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
121
シリーズ第３弾となる本作はテーマは『ハンセン病』。私自身も正直、朧気な知識でしかなかった病の実態をこれでもかとばかり、深く浮き彫りにしてくれます。長い歴史と戦いの中で、亡くなられた方々のコトを思うと胸が苦しくなりますね。本作はもう１つ、謎の沖縄美少女があらわれ、事態は思わぬ方向に。レギュラー陣の中でもとびきり「麻世」のキャラクターがいい感じです。彼女の成長もまた本作の流れの中で確認できます。しかし、そろそろ流れがちょっとマンネリ化してる感が否めないので、次作あたりに何か大きな変化がほしいところですね。2023/01/13
ﾓﾙｸ
103
浅草にあるやぶさか診療所シリーズ第3弾。沖縄から大先生麟太郎の娘と名乗る美咲が訪ねてくる。心当たりがあるような無いような麟太郎。美咲の母でユタである律子の失踪もあり、麟太郎は同居する元ヤンキーの麻世と共に沖縄に同期の比嘉を訪ねて真相を探る。ハンセン病患者、そして家族の家族の悲しい歴史、それは今でも全く無くなった訳ではないのか。沖縄の独特な信仰を含め偏見や様々なことがそれをとりまく。それにしても、麻世、美咲、律子と絶世の美女が勢揃い。そこに飲み屋の夏希ママと、男たちはみんなメロメロ。そこがちょっと不満。2024/07/18
タイ子
96
シリーズ第3弾。今作は浅草と沖縄を舞台に人間の尊厳を考えさせられる物語。診療所の医師・真野麟太郎の元に沖縄から美咲という女性がやってくる。「あなたが私のお父さんなんですね」いきなりの告白に麟太郎先生もビックリ！絶対違うと断言できない麟太郎は昔の医師仲間がいる沖縄に飛んだ。目下行方不明の美咲の母親と麟太郎の関係は？そこで見聞するハンセン病の実態。あらぬ噂と差別によって苦しんできた患者たち。沖縄で披露する麻世の武術の凄さがカッコよすぎ！美咲の父親騒動を元に繰り広げられる悲しい過去と未来に光明が差す人情物語。2022/05/24
まさきち
83
シリーズ三作目と気づかずに読み始めましたが、十分楽しめた長編でした。麟太郎と麻世のコンビもとても魅力的。ぜひとも前二作を読んだ後にまた手にしたい、そうすることで更なるに魅力を発見できるはずと思わせてくれる一冊でした。2023/07/12
ゴルフ72
41
第3弾、今回は副題にあるように沖縄から突然現れた美咲さんが麟太郎を「あなたがお父さん」から始まる。私がこの作品を好きな理由は、重い内容にもかかわらずサクサク読める点！今回は底辺に「ハンセン病」と言う重いにもかかわらずハッピーエンドに向かっていく。今回、麻世はかなり成長したと思った。このシリーズはこれで終わり・・・続編を待ちます。2023/01/29
