出版社内容情報
悪霊の影におびえ、ふさぎこんでいた弘徽殿の女御。しかしそれが自分を狙った巫女たちの狂言だったと知り、報復に燃えて……!
内容説明
いつものように怪異探しに出かけた宣能と宗孝。だが、宗孝は宣能が胸に抱える復讐計画を思いとどまらせたいと気もそぞろ。そんな二人の前に、妖しい白い浮遊物が現れ!?いっぽう、東宮と宗孝の姉・真白を引き離すのに失敗し、怪異に遭遇して以来、すっかり消沈していた弘徽殿の女御。しかし、怪異が巫女たちの仕掛けだったと知り、怒りを激しく燃え上がらせ…。波乱ぶくみのシリーズ第11弾!
著者等紹介
瀬川貴次[セガワタカツグ]
1964年生まれ。91年『闇に歌えば』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
113
このシリーズ11作目でようやく大きな動きが出てきたような気がします。主人公中将の乳母を殺した犯人がわかりどのように相手をやっつけようかとばかり考えます。また東宮の母親も自分が騙されたと知りその巫女たちを殺そうとします。それを中将が助け須磨に逃がします。また悪人の親分が先代の意向で後継者ということでここら辺が今後のキーとなっていくのでしょう。あと数回で終わるのでしょうか?2022/04/27
さつき
78
前巻に引き続き、ますます不穏な雰囲気。弘徽殿の女御の性格のキツさには呆れてしまいます。源氏物語のイメージもあり、この呼び名は意地悪で当たり前な気さえしちゃいますが、それにしても酷い。おかげで初草の可憐さが際立つとも言えますが。今後の展開から目が離せません。2022/04/12
真理そら
73
十の姉君(十郎太)の周辺がキナ臭い。多情丸との最終決戦が近いのかも。初草のかわいい嫉妬などもあるがこの恋は成就するのが難しい。しばらく大人しかった弘徽殿の女御だけどやっぱり怖くてかわいい(まだ筍食べてるのかな?)そして相変わらず宗孝は優しくてどんくさくて奥手…双子を手玉に取ってるという噂を信じる人がいるなんて信じられない。2022/03/21
Nyah
50
宣能の復讐を止めようとする宗孝。東宮と宗孝の十二の姉真白、宣能は四、五年で何とかすると。東宮は彼の勧めに従い、弘徽殿の女御に孝行息子を演じ、初草にもその思いを告げてしまう。弘徽殿の女御は怪異騒ぎが仕組まれた事と知り、その報復を宣能が引き受ける。初草は宗孝への思いに、鈍感な宗孝も初草を大事にしないわけがない。多情丸は、十の姉の祖父が誰かわかり、宗孝と繋がる事が分かってしまった。物語が一気に動き、あちこちで悪人がいろいろ企んでます。/これくらい薄い本だと楽ですね。2022/06/14
ぽんすけ
43
狗王の弘徽殿の女御への→が何気にインパクトがありすぎて、いや前山の中で彼女を助けた時にうっすらと感じたけど気のせいかと思ったのに。あの高慢な姫が人知れず涙を流す場面に遭遇しておちたんやね。なんか本編が不穏すぎて春若・小桜丸コンビがでてくると和む和む。小桜丸も東宮の小舎童を務めてるってことは相当いい家の子なんでしょ。まさか左大臣家のぼっちゃんとかあるのかな?何にせよ元服後は東宮の側近とかに期待されてるんだろうし、二人とも頑張って!次の巻まだ出てないけど、大きく物語が進みだす感じがするし、ドキドキがとまらない2024/01/05