出版社内容情報
母が認知症を発症。母と息子の生活は一変し……。独身者の介護体験を赤裸々に綴り反響を呼んだノンフィクションがついに文庫化!
内容説明
突然、母が認知症に。同居する独身息子の生活は一変。「私は認知症じゃない!」と認めない一方で、大量に届く謎の通販、異常な食欲、そして失禁―そんな母に振り回され、ついには手をあげてしまう。行政や弟妹の支援を受け、なんとか介護を続けるが…。介護する人/される人にとって、本当に必要なものは何なのか?独身者による介護の実態を赤裸々かつロジカルに綴った傑作ノンフィクション。
目次
「事実を認めない」から始まった私の介護敗戦
母は「認知症?私はなんともない!」と徹底抗戦
その名は「通販」。認知症介護の予想外の敵
家事を奪われた母が、私に牙を剥く
介護のストレスで自分が壊れ始めた
「兄貴、全部自分で抱え込んじゃダメだ!」
「イヤ、行かない」。母即答、施設通所初日の闘い
家族が「ん?ひょっとして認知症?」と思ったら
父の死で知った「代替療法に意味なし」
あなたは、自分の母親の下着を知っているか?〔ほか〕
著者等紹介
松浦晋也[マツウラシンヤ]
1962年東京都出身。慶應義塾大学理工学部機械工学科卒業、同大学院政策・メディア研究科修了。日経BP社記者を経て、航空・宇宙関係を専門とするノンフィクション・ライターとして活躍。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かっぱ
47
巻末のジェーン・スーさんとの対談の中で、介護を通して、親子という役割から離れて、親を一人の人間として見るようになれるというところが印象的。確かに自身も親が要介護状態となってから、母親の知らなかったことを知る機会が増えたような気がします。ただ、いまとなっては、認知面の低下が進んでいて、聞き出せることが少なくなり、残念に思うことも多い。いつまで続くか分からない介護。無理をしないで、公的介護保険制度にはできるだけ頼ること。そして適度な息抜きを。2023/02/25
milk tea
24
筆者の葛藤はわかる。 介護に正面からぶつかっていくと、こちらが壊れそうになってくる。そこでご近所さんや知人からアドバイスをもらう。 やはりプロの手を借りるべきではないか。 そういう時期にきてしまったのだ。 解決できるならと藁にもすがりたい気持ちが頂点に達していた。 どうすれば公的な支援が受けられるのか、その入口が分からず、最初は大変だったことを思い出す。いろんなところを訪ねて行き、手続きするための書類を読んだり、サインしたりと頭も身体もくったくただ…。 そんなことがあったなぁと2年前を思い出した。2022/07/18
ぐっち
21
日経BPだった著者の文章は、具体的で読みやすい。タイトルに反して、著者はできるかぎりかかわられていると思う。一番困られているのははやはり排泄の介助なのですね。実家の母の介護の事が気になり読んでみましたが、なかなか難しい。続きもあるようなので読んでみます。2022/12/17
栗羊羹
21
なんか最近、月に1冊は介護・認知症関連の本、読んでいます。本の帯に「どこまで介護できるか」「母親の下着のサイズを知っているか」「介護において1番大事なことは」…日本中に介護で押し潰されそうな方、どれだけいらっしゃるのだろうか。お金・身内のサポート、そして何よりも高齢者が介護されるということをどのように、どのくらい理解してくれるのか…2022/03/10
丸々ころりん
18
80代の母が認知症に!同居50代息子の介護日記。 お互い今までの生活が一変するとは思わなかった。 認知症による母親の変化,1人では抱えきれない介護生活 弟妹•行政の支援を受けながらの介護 息子が母親の下着を買うとハードル,何が必要なのか⁉︎ 考えさせられる1冊。 2022/01/22