出版社内容情報
嗚呼、怪し。現代版『夢十夜』
ショートショートの名手、阿刀田高が贈る
夢と現実(うつつ)のあわいに現れる、日常の恐怖を描いた珠玉の短編集。
黒髪の美しい、不思議な女の後を追って……「黒髪奇談」、かつて「殺したい人、いますか」そう尋ねた孤独な少女……「向日葵の夢」、暗い土蔵のなかに捨て置かれた鏡、その中で蠢くものは……「鏡の中」、同じ夢を見る。他人には言えない秘密を持った日には……「白い部屋」など全12編。
【著者略歴】
阿刀田 高(あとうだ たかし)
1935年東京生まれ。1979年「来訪者」で日本推理作家協会賞を、『ナポレオン狂』で直木賞を、1995年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞を受賞。2003年紫綬褒章、2009年旭日中綬章受章。著書多数。
内容説明
交際を始めたいつも帽子姿の女性が、突然行方をくらます。手掛かりは豊かな黒髪…「黒髪奇談」。大きな向日葵の腕時計をした少女に、“だれか殺したい人、いますか”と聞かれて…「向日葵の夢」。祖母が幼い頃、土蔵の中にある鏡台を覗いたら、自分の背後に青白い顔が映ったという。古い鏡はあの世とこの世をつなぐ出入口…「鏡の中」。夢と現のあわい、奇妙で不可思議な世界をミステリアスに描く12編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
102
阿刀田さんの久しぶりの新作短篇集です。12の短編が収められていて表題どおりのさまざまな怪しい感じがしています。とくに最初の「黒髪奇談」が一番印象に残りました。若干恐ろしい感じもします。まだまだ阿刀田さんの作品を読めるということは今後も楽しみです。2021/05/25
ひさか
21
小説すばる2016年11月号〜2017年10月号―十二人の私の物語―として掲載の12の短編を2018年6月集英社より刊行。2021年5月集英社文庫化。飛べる話や亡くなった人を見たり、理由がない不思議な話や怖い話が結構あって、面白かったです。気持ちや精神が、もの凄くある方向に傾く時がありますが、そういうところをうまくつかまえた展開になっているのが興味深かったです。2021/07/15
やな
21
25年以上前に一度ハマった阿刀田作品。なんとも言えない読後感は健在ですね(^-^)2021/05/29
くろねこ
17
ふむ、なんだかふんわりとした読了感。怖い話というよりは不思議な話で、モヤモヤと捉えどころがない。 そのせいか読了後もどんなお話だったかあんまり記憶になくて頭の中に霧がかかった感じがする…💭2022/08/11
takaC
14
いまのところアトーダさんの小説はこれが最新なんだよね。ひょっとしたらこれが…2021/11/10
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