出版社内容情報
倫理の授業で吐露する生徒達の内面が精緻に描かれる。正義とは、愛とは、生きるとは何かを問い直す同名の人気漫画のノベライズ版。
【著者略歴】
ひずき 優(ヒズキ ユウ)
2月6日生まれ。横浜出身。『REAL×FAKE』で2007年度ロマン大賞を受賞し、受賞作を改題した『キミのいる場所/-REAL×FAKE-』にてデビュー。主な作品に『小説 不能犯』、『アルカサルの恋物語』シリーズ、『書店男子と猫店主』シリーズ、『相棒は小学生 図書館の少女は新米刑事と謎を解く』などがある。
内容説明
いち子は高校生活を流されて送っていた。好きでもない子と教室でセックスしているのも、なんとなく、だ。そんな生活を変えたのは、倫理教師・高柳との出会いだった。「ジェンダーとは」「幸せとは」そんなことを言う不可解な人は他にいない。いち子は恋心を抱き、倫理の授業に出席し続けるのだった(「#1 知らないこと」)等、高柳と生徒たちが、倫理の諸問題を問い続ける傑作漫画のノベライズ版。
著者等紹介
ひずき優[ヒズキユウ]
神奈川県出身。2007年「REAL×FAKE」(刊行時『キミのいる場所‐REAL×FAKE‐』に改題)でロマン大賞を受賞し、デビュー
雨瀬シオリ[アマセシオリ]
東京都出身。2011年「ディヴィッドの肖像」で第60回ちばてつや賞奨励賞を受賞。13年『ALL OUT!』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
39
何となく高校生活を流されて送っていたいち子。そんな彼女と倫理教師・高柳との出会いが生活を変えゆく、倫理の諸問題を問い続けるコミックのノベライズ版。このままでいいのか、これでいいのか、どうすればいいのか、倫理の選択授業を取っている生徒たちが直面した課題や感じた疑問に、何とか助けようとしたり真摯に向き合おうとしていく倫理教師・高柳。これだというわかりやすい解答が提示されるわけではなかったですけど、それが生徒たちが変わるきっかけとなっていく展開はなかなか良かったですね。未読のコミック版も読んでみたくなりました。2021/01/25
ツバサ
17
漫画を知っていても 頭で内容を覚え出せるから良いですね。倫理は生きていて必ずしも必要ではないことで、避けてしまいそうになりますが、いつか自分を救うと思うと学びたくなりました。続いていくなら読みたいです。2020/12/22
ホシナーたかはし
16
ネット漫画版を1~2話読んで、コミックを探す前に本書を手にした次第。コミック版から小説版て展開は珍しいかも。自分の行動が正しいのか、正しさの意味を問いかけ答えが出ないけれど、面白いです。つかNHKでドラマ化とは、ずいぶん思い切ったなぁ・・・2020/12/25
鳩羽
14
いわゆるギャル系のいち子は、不良の男子と適当につるみ、その場の流れでセフレにもなる関係をだらだらと続けていた。ある時、選択科目の倫理教師高柳と出会い、訳の分からない授業と高柳の行動に惹かれて、高柳になんとか近づこうとする…。教養を身につけたり、努力して何かできるようになることに素直に喜ぶいち子のエピソードや、他の倫理クラスの生徒たちの課題をそれぞれ描いた連作短編集。安易な解決や答えは出てこないし、スッキリと敵が倒される訳でもないが、よく生きるために考え続けることをやめないというスタンスが静かに後に残る。2021/01/04
ホシナーたかはし
12
「男の作法」「葉隠入門」と同じく、時々読み返す教訓本。確かに自分の正しさを押し付けるのはいけません。でもだからといって、行政の行ってきた政策ははたして「正解」なのか、検討・精査しないのはどうか、倫理的にどうなのかと思うのです2022/01/28