出版社内容情報
車いすテニスに打ち込む宝良と、彼女が使う競技用車いす製作を夢見る親友の百花。二人の目標はパラリンピック! 青春スポーツ小説!
内容説明
車いすメーカーで働く百花の夢は、親友で車いすテニス選手の宝良のために最高の競技用車いすを作ること。高校2年の時、交通事故で脊髄損傷し、車いすでの生活を余儀なくされた宝良を救ったのは、百花が勧めた車いすテニスだった。宝良が日本代表チームに選出され華々しく活躍しているのに対して、新米エンジニアの自分に焦りを感じている百花は、はじめて顧客との面談を担当することになり…。
著者等紹介
阿部暁子[アベアキコ]
岩手県出身。2008年『いつまでも』(刊行時『屋上ボーイズ』に改題)で第17回ロマン大賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
215
車いすを作る百花とパラリンピックで車いすテニスの出場を目指す宝良。宝良が大好きで仕方ない百花、焦らずに地に足て仕事を頑張って、宝良の車いすを作れるといいなと思う。そして、しっかり反省した上で部下に謝れる小田切は理想の上司。見習いたいね。目指す道は違えど馴れ合いもなく切磋琢磨していく友情が羨ましくもあり、微笑ましくもあった。しっかり絆が結ばれた真の友情だと思う。百花も宝良も頑張れよとエールを送りたくなる。2020/06/13
さてさて
196
『あれから四年の月日が経つ。それでも一日も忘れたことはない。あの日に交わした約束。あの日の宝良の笑顔。わたしの人生を照らす光』。そんな言葉の先に宝良のことを思い、『競技用車いすの製作』に想いを込める主人公の百花。この作品ではそんな百花がどこまでも真摯に仕事に取り組む姿が描かれていました。『車いす』に対するさまざまな知識が詰め込まれたこの作品。『パラ・スポーツ』に対する興味が喚起もされるこの作品。阿部暁子さんの得意とされる”青春物語”と、”障がい”への理解の深さが物語を絶妙に編み上げる素晴らしい作品でした。2025/04/15
海猫
170
車いすテニスで高みを目指す宝良と、親友で「競技用車いす」の製作を夢みる百花。二人の女性を主人公にした物語。この巻は〈Side 百花〉のタイトルどおり百花の方によりスポットが当たっている内容。スポーツ用の車いすが作られていく過程や工夫がわかりやすく書いてあって興味深く読んだ。宝良と百花がテニスの試合を見ているだけの場面でも臨場感があり、ストーリー性豊かでテンポもよくかなり面白い。こうなると百花が作った車いすで宝良がパラリンピックで活躍する場面を読んでみたいもの。大いに期待して続編の〈Side 宝良〉へ進む。2020/06/28
みっちゃん
157
泣き虫だし、すぐに「自分はダメだ」と落ち込む。でも大事な親友、車いすテニス選手の宝良に最高のマシンを作るエンジニアになる為に。その夢に近づく努力は惜しまない。まっすぐでひたむき。それが主人公の百花だ。一見無表情で冷たそう、でも実は…のイケメン指導係との絡みは良くあるパターンだな、とも感じてしまうが目の前にいるたったひとりのために。自分の持っているすべてを差し出す。寄り添う。その姿は貴い。頑張れ。2020/10/31
あきぽん
130
車いすテニス選手の親友を持つ、新米車いすエンジニアの百花。親友は大きな挫折や絶望を乗り越えて前を向く。元いじめられっ子の百花も前を向く。今回のオリパラは大きな障害を乗り越える大会になるけど感染者が少ないことを祈ります。2021/07/07
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