集英社文庫 烙印の森

大沢 在昌【著】

集英社（2020/01発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 336p／高さ 16cm
• 商品コード 9784087440676
• NDC分類 913.6
• Cコード C0193

出版社内容情報

馳 星周 ハセ セイシュウ オオサワ アリマサ 初期 ハードボイルド 長編 新宿鮫 復刊 ２次文庫 角川 ラクイン 落胤 日本推理作家協会賞 直木賞 柴田錬三郎賞 吉川英治文学賞 大極宮

内容説明

芝浦の人気のない運河沿いに佇むバー「ポット」。集まるのは、裏稼業に携わる者ばかりだ。元傭兵のマスター、盗聴のプロ、ニューハーフのボディガード、そして私は犯罪現場専門のカメラマンだ。特に殺人現場にこだわるのは、ある目的で伝説の殺し屋“フクロウ”を探し当てるためだ。ある晩、ついに命を狙われ始めた私は、裏社会に生きる「ポット」の連中と手を組むことに。驚愕のラストが待ち受ける大沢ハードボイルド！

著者等紹介

大沢在昌［オオサワアリマサ］
１９５６年名古屋生まれ。７９年『感傷の街角』で第１回小説推理新人賞、９１年『新宿鮫』で第１２回吉川英治文学新人賞、第４４回日本推理作家協会賞、９３年『新宿鮫　無間人形』で第１１０回直木賞、２００４年『パンドラ・アイランド』で第１７回柴田錬三郎賞、１０年第１４回日本ミステリ文学大賞、１４年『海と月の迷路』で第４８回吉川英治文学賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[KAZOO]

大沢さんにこのような作品があったとは思いませんでした。1990年代に出版されていますが見落としたのでしょう。主人公は殺人現場での死体や回りの状況を写す写真家でそれを専門にする雑誌社に売って生活の生業としています。回りの人物が胡散臭いのが多いのですがなんか魅力があります。名うての殺し屋による殺人が相次ぎ、また主人公の過去なども絡んできて最後まで一気に読ませてくれました。

2020/01/22

[ゆみねこ]

ザ・大沢と言うハードボイルド。1992年単行本で刊行、1996年に角川文庫に、今回集英社文庫で。芝浦の運河沿いのバー「ポット」に集まる裏稼業の面々と、伝説の殺し屋・フクロウ。カメラマン・メジローがフクロウを追いかける理由。さらっと読了。あまり頭を使わないで読めますよ。

2020/04/24

[マムみかん(＊ほぼ一言感想＊)]

３０年前の作品の復刊。 古い海外ハードボイルドのような、乾いた雰囲気が良いです。 アンダーグラウンドで暗躍する、アウトサイダー(プロの犯罪者)たちの物語。 ここではないどこかへ行きたい時にオススメ☆

2021/03/19

[Malos]

メジローは、ある人物『フクロウ』を追う為に、犯罪現場専門のカメラマンをしている。ある事件を境に、アウトサイダーな人物が集まるバー『ポット』の連中と協力し、作戦が決行されることになる。メジローの過去と思惑、そして探し求める人物とは。ザ・ハードボイルド小説。

2021/04/28

[えみ]

初期傑作と銘打って新たに発売された大沢在昌さんの小説。30年近く前に発表された作品なのに、決して時代遅れでもなければ古臭くもない。今も昔も変わらない世界観を生み出せる安定感は流石としか言いようがない。この小説に浮かぶのは、仄暗い気怠さと錆び付いた風に吹きつけられて身を窶す一人の男の姿。誰も見たことのない“フクロウ”というプロの殺し屋を探す裏社会に生きる者たちの覚悟の闘い。ハードボイルド特有の鋭い切れ味で描写される反道徳的行為から放たれた空気は、途中で目を離すことが許されないほど意識を捉えて離さなかった。

2020/02/01