出版社内容情報
細谷 正充 ホソヤ マサミツ 平安京 芦屋道満 法師 陰陽師 朝廷 ばけもの好む中将
内容説明
死の匂いに満ちている平安京。陰陽師寮に属さない法師陰陽師・芦屋道満と狩衣に指貫姿の鷂。彼女はすべてを記憶する特殊な力を持っていた。ある日検非違使に絡まれた美しい女を助けると、彼女は行方が分からない夫を探しているという。不穏なものを感じ真相を調べることに―。さらに、時が狂うという摩訶不思議な事件、安倍晴明との邂逅、謎の白き蝶紋に苛まれる道満の過去。謎解き平安京、開幕!
著者等紹介
美奈川護[ミナガワマモル]
1983年千葉県生まれ。2009年『ヴァンダル画廊街の奇跡』で第16回電撃小説大賞“金賞”を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆなほし
34
死の匂いに満ちた平安京で法師陰陽師・蘆屋道満と、すべてを記憶する特殊な力を持つ鷂が様々な怪異を解き明かすべく奔走する―。ジャンルとして「歴史・時代」に分類されているが、著者がラノベ出身という事もあり、キャラクター造形や設定等がラノベ寄りで読みやすくまとまっている。異形の陰陽師と異能の鷂という奇妙な二人組は、ともすればファンタジー色強めな厨二設定になりかねないが、どちらかと言うと平安ミステリーとでも言うべき内容が上手く合っていた。やや物足りなさを感じてしまう所もあるが、続編に期待している。2020/02/15
AKI
16
主人公は平安時代の陰陽師、芦屋道満と彼と行動を共にする男装の女童の鷂(はしたか)。陰陽師でありながら「怪異を信じぬ陰陽師」の道満、過去の辛い経験に決着をつける為に内裏を目指し、その為の手段としてしか考えていなかった、見聞きした全ての事を記憶出来る鷂との関係が、様々な人達との関わりの中で変化していく様が何ともじりじりともどかしく、切なくて良かったです。好々爺の安倍晴明目線で二人の心の変化を見守ってしまいました。入内前の藤原元子が登場したり、まだ謎も解き明かされていないので、ぜひとも続き読みたいです!2020/02/07
イシカミハサミ
11
フィクションの世界ではよく安倍晴明の敵、もしくは好敵手として 描かれることの多い芦屋道満が主人公。 思えば美奈川さんのデビュー作“ヴァンダル画廊街”も ダークヒーローの香りがあったので、 原点回帰の作風。 現代に残る伝承を伏線として回収していくストーリーは巧妙。 平安の話だし、もうちょっとゆっくりでいいな、とは思った。今巻収録の四話が八話になるくらいのペースでちょうどいい。2020/02/23
みいやん
10
安倍晴明のライバルで悪役になることの多い芦屋道満が主人公で怪異を信じず、情報と推理で"鬼退治"をするのがおもしろい。かまどうまが苦手なところは某探偵を思い出してしまった。2020/03/21
陽ちゃん
8
多分、初読みの作家さん。道満が母と妹を殺した相手を見つけるために御所の中へ入り込もうと画策する手として特異な童女鷂を育てるが、いつしか…。道満と晴明の関係が意外でしたが、道満への印象が変わった作品でした。2020/02/01