集英社文庫<br> 悪寒

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集英社文庫
悪寒

  • 伊岡 瞬【著】
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  • サイズ 文庫判/ページ数 432p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087440096
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

憎んでいた上司が殺された。その犯人は、自分の妻だった──。単身赴任中に、一体何が起きていたのか? 緊迫の長編ミステリ!

内容説明

大手製薬会社社員の藤井賢一は、不祥事の責任を取らされ、山形の系列会社に飛ばされる。鬱屈した日々を送る中、東京で娘と母と暮らす妻の倫子から届いたのは、一通の不可解なメール。“家の中でトラブルがありました”数時間後、倫子を傷害致死容疑で逮捕したと警察から知らせが入る。殺した相手は、本社の常務だった―。単身赴任中に一体何が?絶望の果ての真相が胸に迫る、渾身の長編ミステリ。

著者等紹介

伊岡瞬[イオカシュン]
1960年東京都生まれ。2005年『いつか、虹の向こうへ』で第25回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をW受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

695
広い層に受け入れられそうな作品という印象で、実際売れてもいるらしい。内省的な冴えない中年男性と自己主張ビンビンな女性陣の対比は、なぜこうも鉄板フォーマット化しているのか。話の軸が見えず、賢一が疲れていく描写が続き、途中やや退屈した。裁判が始まって一気にテンポが速くなったが、緩急つきすぎてやや不自然。真相に気づくキッカケなどは本格ミステリ的で「お!」っと思ったが、こういう心理的矛盾をヒントに使うなら、倫子の人物造形に違和感あることが気になる。夫と娘がいたうえで、ああいう行動に走る女性に思えない。2020/01/23

イアン

286
★★★★★★★☆☆☆『代償』『痣』と世界観を共有する伊岡瞬の長編。左遷人事で単身赴任となった賢一の元に、妻から不可解なメールが届く。胸騒ぎを抑えられない彼の元にその後届いたのは、自宅で妻が上司を殺したとの警察からの一報だった…。左遷先のパワハラ、家庭内の不和、認知症のオカン…。自身にも原因の一端があるとはいえ、賢一の不遇過ぎる境遇が切ない。犯人の動機に疑問が残るものの、ホワイダニットと見せかけて二転三転するラストにもミステリの醍醐味が凝縮されており、嫌悪感を抱かせる人物がちゃんと登場する、これぞ伊岡作品。2021/02/28

shinchan

255
伊岡さんを初めて読みました。非常に読みやすい内容で結末の二転三転には・・・・。犯人を当てるのはなかなか難しいものです。私には???2020/02/27

milk tea

239
次の展開が気になり最後まで一気に読み進めてしまった。主人公・藤井賢一は社内の不祥事の責任を取らされ、山形へ単身赴任。慣れない営業を担当することになり、一向に成績上がらず支店長からのパワハラを受ける。その頃、妻から要領を得ない不可解なメールが届く。そこから事件へと続く。妻・倫子の身に何が起こったのか?犯人が二転三転?倫子の妹の心に深く刻み込まれている「もらわれっこ症候群」。この真実にも驚いた。一度は家族がバラバラになりかけたけど、安堵感のある結末でよかった。真壁刑事の存在が光ってた。2020/09/04

のり

231
大企業にこだわりすぎ、見切りをつけるタイミングを逃した為に家族に災いが…殺人という重い事実だけが残る。あまりにも身勝手な人達に何度も怒りを覚えた。道徳心に欠ける。家族愛も沢山感じとれたが、彼女がとった行動は家庭崩壊を招くし、行き過ぎた行為である。特に多感な時期の娘を傷つけたのは否めない。それでも凍りついた雰囲気は払拭されつつある。2020/06/01

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