集英社文庫<br> 夜果つるところ

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集英社文庫
夜果つるところ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087430165
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

執筆期間15年のミステリ・ロマン大作『鈍色幻視行』の核となる小説、文庫化。
「本格的にメタフィクションをやってみたい」という著者渾身の挑戦がここに結実…!

遊廓「墜月荘」で暮らす「私」には、三人の母がいる。日がな鳥籠を眺める産みの母・和江。身の回りのことを教えてくれる育ての母・莢子。無表情で帳場に立つ名義上の母・文子。ある時、「私」は館に出入りする男たちの宴会に迷い込む。着流しの笹野、背広を着た子爵、軍服の久我原。なぜか彼らに近しさを感じる「私」。だがそれは、夥しい血が流れる惨劇の始まりで……。

謎多き作家「飯合梓」によって執筆された、幻の一冊。
『鈍色幻視行』の登場人物たちの心を捉えて離さない、美しくも惨烈な幻想譚。

【リバーシブル・カバー仕様】
恩田陸によるミステリ・ロマン大作『鈍色幻視行』作中で、幻の作家・飯合梓の唯一の著作として登場する『夜果つるところ』。
『鈍色~』の核となる小説を文庫化した本書のカバー、恩田陸版/飯合梓版を自由にかけかえ可能なリバーシブル仕様でお届けします!

【著者略歴】
恩田陸(おんだ・りく)
1964年生まれ、宮城県出身。92年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作に選出された『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞と本屋大賞、06年『ユージニア』で日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門、07年『中庭の出来事』で山本周五郎賞、17年『蜜蜂と遠雷』で直木三十五賞と本屋大賞を受賞。ミステリ、ホラー、SFなど、ジャンルを越えて多彩な執筆活動を展開する。他の著書に、『スキマワラシ』『灰の劇場』『薔薇のなかの蛇』『愚かな薔薇』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』など多数。


【目次】

内容説明

遊郭「墜月荘」で暮らす少女には三人の母がいた。孔雀の声を真似て空っぽの鳥篭を並べる生みの母・和江、いろんなことを教えてくれる育ての母・莢子、置き物のように帳場に立つ名義上の母・文子。ある日少女は館内で男達の宴会を目撃する。着流しの笹野、背広を着た子爵、軍服の久我原。なぜか彼らに近しさを覚える彼女。だがそれは夥しい血が流れる惨劇の始まりだった。妖艶で耽美な幻想小説。

著者等紹介

恩田陸[オンダリク]
1964年、宮城県生まれ。早稲田大学卒業。91年に第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった『六番目の小夜子』で、翌92年デビュー。2005年『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞、第2回本屋大賞を受賞。06年『ユージニア』で第59回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門を受賞。07年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞を受賞。17年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木賞、第13回本屋大賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

bunmei

82
『鈍色幻視行』で描かれている作中作小説。怪しく醜悪な世界観の中、妖艶な光を放つ遊郭・墜月楼を舞台に、そこで暮らす私の視線で語られる世にも幻想的な物語。そこで3人の母と共に暮らしていた私。墜月楼には、異様な男達が出入りし、夜ごと甘美な時間が繰り広げられる中、凄惨な事件も繰り広げられていた。ここまでは、遊郭を舞台とした男女の足掻きの物語と思っていた。しかしラスト50ページでその内容は一変。男達の目的や私の出生の秘密が明らかになった時、墜月楼は時代に翻弄され、陽炎な光に包まれて衝撃なラストへと突き進んでいく。 2026/10/11

まさきち

79
序盤は世界観を掴みきれず難儀しましたが、中盤からその世界にズッポリと引きずり込まれ、ラストのドンデン返しで見事に満足させられての読了でした。2026/09/07

たっくん

69
辺鄙なところに佇む館、遊郭「墜月荘」。「私」がいつ来たかは覚えていないが、そこに三人の母がいた。自分の世界に閉じこもる長期療養中の「産みの母」和江、置物のように帳場に立つ監督者、「名義上の母」文子そして身の回りのことや勉強を教えてくれる「育ての母」莢子・・ある日「私」は「館」に集まる男たち(着流しの注目作家笹野、背広姿の子爵、軍服姿の久我原ら)の宴会に迷い込むが、それは悍ましい惨劇の始まりとなった・・「愛の言葉は呪い」、「鈍色幻視行」の作中作、興味を持って読了した。2026/07/31

ふう

31
物語といっしょに、ずっと表紙のような鮮やかな色彩の絵が流れていきました。夜の海、ランタンの灯りにつつまれた墜月荘、庭の草花、女たちの着物、流れる血、闇を焦がす炎。登場する人々の胸の中にも、恨みや恐れ、激しい愛が色濃くうごめいていて、この世のものとは思えぬ美しさ、そして結末でした。読み終えて驚いたのですが、著者略歴欄に「本書が初めての著作」とありました。この作品が、わたしがよく作中で迷子になる恩田作品のスタートだったのかと、うれしくなりました。でも、この作品では迷子にならなかったような気がします。2026/10/17

あつこんぐ

30
『ほんタメ』であかりんが紹介していて気になった本。飯合梓名義で書かれた『鈍色幻視行』の作中作です。恩田作品は最後に尻すぼみしてモヤモヤしながら読み終わることがありますが、この本は最後に明かされたそれぞれの真実にゾクゾクしました。あとがきで「私ではない誰かが書いたもの、と割り切ると、自分ではやらないようなベタな設定も平気だし」と書かれてましたが、『ベタな設定』だとしてもこんな面白い話を書く恩田陸がすごいなと思いました。後に控えている『鈍色幻視行』がとても楽しみです。2026/09/02

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