出版社内容情報
国の威信や天皇の権威・権力を象徴した日本の古代宮殿。
東アジアで国際的緊張が高まる中、唐と日本伝統の手法を組み合わせながら、独自性の高い宮殿を造り上げた飛鳥宮・藤原宮・平城宮・難波宮・平安宮など各宮殿の空間構成は、どのような意図で造られたのか。
宮殿から見えてくる天皇の強い意志や当時の社会情勢とは何だったのか。
本書では、現存する建築物・文献史料・発掘遺構などの最新の研究成果をもとに、中央・地方の豪族・民衆を掌握し、全国を統治する装置を兼ねた古代宮殿の実態を解き明かす。
古代史に新たな光を当てる、渾身の一冊。
海野 聡(うんの さとし)
一九八三年、千葉県生まれ。二〇〇六年、東京大学工学部建築学科卒業。
二〇〇九年、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程中退。
奈良文化財研究所研究員を経て、現在、東京大学大学院准教授。博士(工学)。
主な著書に『古建築を復元する』『建築が語る日本の歴史』『奈良で学ぶ 寺院建築入門』『森と木と建築の日本史』『日本建築史講義:木造建築がひもとく技術と社会』など。