集英社新書<br> ことばの危機―大学入試改革・教育政策を問う

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集英社新書
ことばの危機―大学入試改革・教育政策を問う

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087211245
  • NDC分類 375.8
  • Cコード C0236

出版社内容情報

一連の「国語」改革は何が問題なのか?
東大文学部の有名教授陣による、緊急講演録!


大学入試改革や新学習指導要領の公示により、「国語」をめぐる様々な変更点が注目を集めている。
「論理国語」「文学国語」といった区分が新たに誕生し、新・大学入試共通テストでは実用的な文章の読解が増加する見込みである。
また、それに連動する形で、高等学校の「国語」からは文学の比重が減ることが予想されている。
このように「実用性」を強調し、「文学」を特殊な領域に囲い込もうとする大学入試改革・教育政策はいかなる点で問題なのか。
その変化の背景にある、日本社会全体に蔓延した「ことば」に対する偏った見方とは何か。
そして、なぜ今の時代にこそ文学的知性と想像力が重要なのか。
東京大学文学部の5名の有名教授陣が、各専門の立場から問題意識を熱く語った、必読の講演録!

【本書の構成】

はじめに (安藤宏/国文学研究室)
第一章 「読解力」とは何か――「読めていない」の真相をさぐる(阿部公彦/英語英米文学研究室)
第二章 言葉の豊かさと複雑さに向き合う――奇跡と不可能性の間で(沼野充義/現代文芸論研究室・スラヴ語スラヴ文学研究室)
第三章 ことばのあり方――哲学からの考察(納富信留/哲学研究室)
第四章 古代の言葉に向き合うこと――プレテストの漢文を題材に(大西克也/中国語文化研究室・文化資源学研究室)
第五章 全体討議
おわりに (安藤宏)
資料

【著者略歴】
阿部公彦(あべ まさひこ)1966年生まれ。東京大学教授。

沼野充義(ぬまの みつよし)1954年生まれ。東京大学教授を経て、2020年4月より名古屋外国語大学副学長。

納富信留(のうとみ のぶる)1965年生まれ。東京大学教授。

大西克也(おおにし かつや)1962年生まれ。東京大学教授。人文社会系研究科長・文学部長。

安藤宏(あんどう ひろし)1958年生まれ。東京大学教授。

内容説明

大学入試改革や新学習指導要領の公示により、「国語」をめぐる様々な変更点が注目を集めている。「論理国語」「文学国語」といった区分が新たに誕生し、新・大学入試共通テストでは実用的な文章の読解が増加する見込みだ。また、それに連動して、高等学校の「国語」からは文学の比重が減ることが予想されている。このように「実用性」を強調し、文学を特殊な領域に囲い込もうとする大学入試改革・教育政策はいかなる点で問題なのか。この変化の背景にある、日本社会全体に蔓延した「ことば」に対する偏った見方とは何か。そして、なぜ今の時代にこそ文学的知性と想像力が重要なのか。東京大学文学部の五名の教授陣が、各専門の立場から問題意識を熱く語った、必読の講演録!

目次

第1章 「読解力」とは何か―「読めていない」の真相をさぐる(「読解力がない!」とはどういうことか;「読解力がない!」は読み手だけの問題なのか ほか)
第2章 言葉の豊かさと複雑さに向き合う―奇跡と不可能性の間で(簡単な表現でも「正しく」翻訳できるとは限らない;文学的教養の大事さ ほか)
第3章 ことばのあり方―哲学からの考察(哲学から考える問題の本質;ことばをツールとする態度 ほか)
第4章 古代の言葉に向き合うこと―プレテストの漢文を題材に(古代の言葉を読み解くこと;ポライトネスと「忖度」―漢文の表現から ほか)
第5章 全体討議

著者等紹介

阿部公彦[アベマサヒコ]
1966年生まれ。東京大学教授

沼野充義[ヌマノミツヨシ]
1954年生まれ。東京大学教授を経て、2020年4月より名古屋外国語大学副学長

納富信留[ノウトミノブル]
1965年生まれ。東京大学教授

大西克也[オオニシカツヤ]
1962年生まれ。東京大学教授。人文社会系研究科長・文学部長

安藤宏[アンドウヒロシ]
1958年生まれ。東京大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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katsubek

31
「言語はツール」という魅力的な言い方に、つい絆されてしまうが、いかんいかん。言葉は世界を在らしむるものであった。言葉があるからこそ、「我」が存する。なんたって私たちは言葉で考え、言葉で感じ、言葉で愛し、言葉で生きるのだから。哲学的考察は文句なしに面白かった。かけがえのない言葉の存在を、もう一度根本のところから問い直してみたい。センター試験出典の著者による問題解説(?)も非常に興味深い。「国語」とは何か、「論理」とは何かということに、今、私たちは真剣に向き合わねばなるまい。未来の日本語のために。2021/05/16

きいち

26
ことばの意味はひとつではない、資料や事務的な文もその正しさは一定の文脈のもとでしかない、今回皆が否応なくトレーニングさせられているように、不確実で曖昧で複雑なものを複雑なまま考える必要があるこれからの時代に、この入試を目指す国語教育ではいかんだろう。その危機感はとてもよく伝わる。◇…のだが、何だかとてもモヤモヤする。基礎的な訓練がないと空中戦になる、その基礎の部分と到達目標の議論が混ざっているようで。◇一人目・阿部の「読解力がない」の考察がいい。読めていないのは、書き手や他の読み手の問題でもある。まさに。2020/08/13

大先生

13
【「論理国語」「文学国語」といった区分が誕生し、実用性が重視され文学が軽視されるおそれがあるが、それでいいのか?①そもそも読解力とは?②言葉は複雑で豊かで曖昧でもあるが、そのような性格を最大限活かして作られてきたのが文学では?③ことばをツールとして捉えるのは間違いではないか?ことばは私自身と捉えるべき④古典に向き合うことも必要ではないか?知性は数値化できない奥深いところで社会の根幹を支えている。社会に役立つことを皮相なレベルで捉えようとする成果主義・功利主義的なあり方に警鐘を鳴らすところに意義がある】2023/01/04

tokko

12
来年から始まる悪名高い高等学校の新学習指導要領だが、その特徴的な一つが「国語」教育改革。おそらく「実学」重視で「文学」なんて読めなくても生きていくうえで必要なし、という貧相な発想しか持たない人が考えたのだろうが、この教育制度で育った子どもたちが世に出る5年後、10年後は恐ろしいことになっていると思います。一応「言語文化」という必須科目はあるのですが、その中に「文学」「古文」「漢文」が詰め込まれていて、しかも標準単位が2単位、全て教えられるはずがありません。この本のような声をどんどん上げてほしいです。2021/11/23

tokko

10
面白かったのでもう一度読みました。確かに今の世相では「言葉」は「道具」であって、それを巧みに使いこなせれば情報の伝達を正確に行うことができる、という「言語=ツール」観が大勢を占めているように感じます。それが「論理国語」なる珍妙な科目名に現れているのでしょう。でも言葉と意味の結びつきはそんな一対一のデジタルな関係じゃなくて、もっとぐちゃぐちゃなファジーな世界です。言葉の置かれている状況からその意味を読み解く文学は、有効な言葉の学習教材だと思うんですがねぇ。2022/03/04

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