集英社新書<br> 感情で釣られる人々―なぜ理性は負け続けるのか

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集英社新書
感情で釣られる人々―なぜ理性は負け続けるのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 234p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087208412
  • NDC分類 311.13
  • Cコード C0210

出版社内容情報

近年、国家や企業、共同体などが、巧妙に感情的な共感を引き出し、献身や購買といった形で人々を動員している。そこで、感情で釣られないための方策を提示。注目の政治社会学者による革新的論考!




堀内 進之介[ホリウチシンノスケ]

内容説明

近年、日常生活の様々な場面において、理性よりも「感情」に訴える主張が注目を集めている。それは、SNSの炎上や、職場での過剰なサービス精神の強要、選挙戦で感情的に訴える候補者が優位になりやすいといった現象にも見られる。本書では、国家や企業、共同体が、巧妙に感情的な共感を引き出し、献身や購買といった形で人々を動員している実態を詳述。そして、もっともらしいだけで中身のない議論に騙されず、感情で釣られないための対策として、「冷静に考える」ための条件や環境を整える方法を示す。注目の政治社会学者による革新的論考。

目次

第1章 自分で決められる?感情で釣られる人々(「ウンコな議論」をどうするか―私たちが気をつけたいと思っているものの重要性;上に政策あれば、下に対策あり ほか)
第2章 マーケティングの中の「自分らしさ」(誰のための広告;思想としてのマーケティング ほか)
第3章 感じる政治(いつまでも、冷戦の勝者ではいられない;「山の動く日来たる」 ほか)
第4章 私たちはどういう社会を生きているのか(「社会は存在しない」;伝統は創ることができるか? ほか)
第5章 自分自身を知る(釣る)ために(よい共同体はよりよく、そうでない共同体はそれなりに;なぜ、いつも「全米は泣いている」のか? ほか)

著者等紹介

堀内進之介[ホリウチシンノスケ]
1977年生まれ。政治社会学者。現代位相研究所・首席研究員。青山学院大学大学院非常勤講師。朝日カルチャーセンター講師。専門は、政治社会学・批判的社会理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

びす男

61
「ナッジ」の議論は留学先で勉強したことがあり、馴染みがあった。結論部はちょっと竜頭蛇尾のような印象もあったが、示唆に富み、全体として楽しく読めたのでオッケー。神は死んで、そのあと隆盛をきわめた理性も死につつある。絶対的なものに期待せず、「より悪くないもの」を選ぶ姿勢がちょうどいいのかもしれない。2016/11/27

金城 雅大(きんじょう まさひろ)

28
ハズレ。「本書の目的」と題した序文からかけ離れた支離滅裂な内容を書き散らしておいて、最終章で強引に辻褄を合わせようとするご都合主義的論展開に思えた。所詮はTwitter上の名もなき人の一つぶやきで薦められていた本に過ぎなかったな、と反省。2019/03/03

Artemis

13
社会は複雑であり、単純な因果論では測れない。しかし影響はあることはわかる。原因が辿れないだけ。この傾向が思い込みなどの感情で暴走する。良かれと思ったことが必ずしも良い影響を生むとは限らない。曖昧なりにどのような影響を及ぼすかよく考える必要がある。 ありえないような理想を掲げた社会より、できそうな実現可能な今よりは悪くない社会を目指すことが現実的。  2019/04/23

Aby

12
どんなに理性的であろうとしても,根っこのところで感情に引っ張り回される.そして,あなたも私もカモられる.「読まなくても分かる本にしろ」(p.215)は,衝撃的なフレーズ.学習参考書のように,ゴシックやハイライトが初めから引かれている本が出回っているのは,そういうことだったんですね.2017/03/31

袖崎いたる

12
たしかに、理性より感性(感情、情動)の方が当世風であるというのは論を俟たない観がある。本書で言及されている認知的不協和やウンコな議論ややりがい搾取やらといったことばを眺めていても、流れとして感情を語るための道具や文脈の構築がなされてきたのだなあと思える。それを踏まえて著者はそうした釣られやすい感情を実装している人々へと至極簡明な処方案を提示してくれている。しかしあとがきで暴露されている出版業界での明晰判明指向な要求はひどい。なにせ読まなくても分かるように書いてくださいと著者に申し込んでくるというのだから。2017/03/12

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