出版社内容情報
アベノミクスの短絡的な経済政策の結果、巨大資本による「独占」が横行。国民の生活だけでなく生命さえも脅かされている。この危機に対抗する唯一の手段が「共有」であり、その具体策を明示する。
内容説明
資本主義の歴史を俯瞰し、著者はその歩みを、国民国家の膨張とその衝突と捉える。その中で、戦争や大恐慌などの歴史的転換期に起きる「非線形変化」と、経済循環による「波動」をつかむことで、危機的状況にある資本主義の病理を浮き彫りにする。税制や社会保障制度などの新たな枠組みは、今日のような歴史的転換期に更新されていく。そこに、これらの制度やルールの空白が生じ、「独占」が生まれる。「独占」に抗し、「失われた30年」とも言われる閉塞状況を打破するには、社会を変えていく原理として、制度やルールの「共有」が有効となる。個人の自由と平等を保障しつつ、新しい産業構造への転換を促す道を提示する。
目次
序章 ワンフレーズ化された経済政策
第1章 共有論のパースペクティブ
第2章 グローバリズムの歴史的意味
第3章 グローバリズムは何を強要するのか
第4章 資本主義はどう変化してきたか
第5章 社会保障制度における「自由と平等」
第6章 波動から資本主義を見る
第7章 新しい独占をめぐる対抗
第8章 地域民主主義の可能性
著者等紹介
金子勝[カネコマサル]
経済学者。1952年、東京生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得修了。慶應義塾大学経済学部教授。専門は財政学、制度経済学、地方財政論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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