出版社内容情報
夏目漱石は「悲恋小説家」だった。近代文学の名作の多くが「悲恋」に終わるのはなぜなのか。「誤配」という概念を鍵にして、近代文学と現代文学との間に横たわる大きな断層を見出す、画期的な文学論。
内容説明
夏目漱石『三四郎』『それから』、田山花袋『蒲団』、森鴎外『雁』、川端康成『雪国』、三島由紀夫『春の雪』…近代文学の名作の多くが「悲恋小説」なのはなぜなのか。著者は哲学者ジャック・デリダが用いた「誤配」という概念を鍵にしてそれらを再解釈する。そして「恋愛」というテーマに留まらない、近代文学と現代文学との間に横たわる大きな断層を見出す。早稲田大学の人気教授が、あの名作に隠された秘密を、全く新しい読み方によって明らかにする一冊。
目次
第1章 悲恋小説作家・夏目漱石
第2章 作家の闘争・田山花袋『蒲団』
第3章 読者の恋・森鴎外『雁』
第4章 誰がシャッターを切ったのか・武者小路実篤『友情』
第5章 読まれなかった手紙・志賀直哉『暗夜行路』
第6章 スターの条件・谷崎潤一郎『痴人の愛』
第7章 それを愛と呼んでもいい・川端康成『雪国』
第8章 この甘ったれた若者・石原慎太郎『太陽の季節』
第9章 優雅なニヒリストたち・柴田翔『されどわれらが日々―』
第10章 空虚な中心・三島由紀夫『春の雪』
著者等紹介
石原千秋[イシハラチアキ]
1955年東京都生まれ。専門は日本近代文学研究。成城大学大学院博士課程を経て、1983年東横学園女子短期大学助教授。1993年成城大学文芸学部教授。2003年より早稲田大学教育・総合科学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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