出版社内容情報
W杯で日本代表と「世界」との戦いに一喜一憂する時期に刊行される、斬新な“サッカー比較文化論"。本田圭佑、岡崎慎司、長友佑都、宮本恒靖など、現役選手や関係者の貴重な証言が満載!
内容説明
もはや“国民的行事”となった感のある、サッカーW杯。ヨーロッパでプレイする「海外組」が主体となった日本代表は、以前とは違い、技術や戦術では「世界」と遜色ないレベルに達したようにも思える。しかし、大一番で勝負を分けるのはメンタリティだ。そのメンタリティを形成する文化的背景とは何なのか?ドイツでのプレイ体験もある著者が、深刻なカルチャーギャップを体感した選手たちへの取材をもとに、大胆な“サッカー比較文化論”を書き下ろした。本田圭佑、岡崎慎司、長友佑都、松井大輔、槇野智章、宮本恒靖、宇佐美貴史、奥寺康彦、パクチソンなど、現役選手や関係者の貴重な証言が満載!
目次
第1章 自己主張
第2章 上下関係
第3章 自己責任
第4章 専門性
第5章 「文明の衝突」エピソードあれこれ
第6章 日本代表での「文明の衝突」
著者等紹介
吉崎エイジーニョ[ヨシザキエイジーニョ]
1974年生まれ。ライター。大阪外国語大学朝鮮語科卒業。2005年にドイツに移住し、現地一〇部リーグで一シーズンプレイした経験を持つ。サッカーなどを中心に各誌で執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あちゃくん
31
タイトルのダジャレはあれですが、日本と欧州(キリスト教圏)をサッカーを通して比較した文化論です。学術的な裏付けは薄いですが、実際にドイツのクラブチームでもプレーしたことあるサッカーライターの筆者が、欧州に渡った選手たちのエピソードも交えつつ、フィールド目線で考察しています。単にフィジカルだ、スピードだ、パワーだというだけでなく、図らずも国民性や民族性など文化的背景が滲み出てしまう、サッカーってスポーツは面白いなと改めて思いました。2014/07/19
ふろんた2.0
15
タイトルでやっちゃった感があるけど、日本人と欧州人の文化論の話。メッシも出てこなければ、サッカーから離れる部分もある。調和した組織なのか、個が結合した組織なのか。海外挑戦するにはどういった態度がいいのかを著者の経験も含めて論じられる。言われてみれば、私の勤務先にいる外国人は仕事中よく口論しているなあ。仕事や上司の愚痴を、うだうだと居酒屋で喋ることに費やし、何の改善策を講じないのも日本人の特性なのだろうか。2014/07/31
ふぇるけん
11
サッカーを通じたキリスト教圏とそれ以外の比較文化論、と書くと大げさだが、西欧と日本の組織に対する考え方の違いはなるほど、というものがあった。ちなみにメッシはほとんど出てきません。基本的に個人の責任をしっかり任せるヨーロッパと、カバーリングや集団の連動を重視する日本や韓国、そして海外組の選手がどのように自分の居場所を見つけたか、などサッカーの見方が少し広がった気がします。W杯も国ごとの組織のキャラクターを考えながら楽しみたいと思います。2014/06/17
*
7
【感想追記】谷川俊太郎さんの詩ではないが、「ボールを蹴っ飛ばす」だけでいいのだ。それなのに日本では、それがなんだか難しい。サッカー禁止の公園、不良にするなと怖がる親族。抜け出せない補欠、エトセトラ。そして、運よくピッチに立てたとしても…▼空気を読むのは大事だけど、もう一段上の空気を作りたい。だから「未来の大人」に教えるべきことは一つ。「人の意見を嫌いになっても、意見する人を嫌いになっちゃダメ」2014/12/12
文章で飯を食う
7
野球では世界強国なのに、サッカーではなかなか勝てない。著者はそれを、日本人とキリスト教国の個に焦点をあてて、解説しているが、ちょっと違う気がする。国技が野球の国がサッカーが国技の国に、そう簡単に追いつけるものかしら。オシムの日本サッカーを日本化するが、途中で挫折してしまったのが惜しいというのは、激しく同意。日本と世界をよく理解して、日本人の進む道を模索できる唯一のチャンスだった気がする。今も、代表監督でサッカーがころころ変わる。外国での指導者実績のある日本人が代表監督を務めるまでは出ないのかも。2015/09/21