出版社内容情報
修験三本山の一つである吉野・金峯山寺。その宗務総長である著者が修験道の神髄を語りおろす。山岳修行を通して自らの身体感覚を高めることで、心の悩みを晴らす修験道の教えを分かりやすく伝える。
内容説明
富士登山のルーツはここにあった!心の乱れがすーっと消える。吉野・金峯山寺の修験者が伝える生き抜くための智慧。
目次
第1部 修験道は日本独特の宗教(そもそも修験道ってなに?;修験道は権現さま;開祖・役行者ってどんな人?;聖地・吉野と桜と蔵王権現)
第2部 山伏ってなにするの?(山の行と里の行;山修行の実感と体験;キーワードでみる山伏の精神)
第3部 現代社会と修験の心(自然災害による気づき;ニッポンの連続と断絶;脱・グローバル社会と修験道ルネッサンス)
著者等紹介
田中利典[タナカリテン]
1955年京都府生まれ。金峯山修験本宗宗務総長。71年吉野金峯山寺にて得度。79年龍谷大学文学部仏教学科卒業。2001年金峯山修験本宗宗務総長と、金峯山寺執行長に就任。帝塚山大学特定教授、紀伊山地三霊場会議代表幹事、日本山岳修験学会評議員なども務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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umeko
15
先日、吉野へ行って買った本。その時の法螺貝と太鼓の音にやられたようで、入峰修行したくなった。まずは体験修行の一日コースからだな。2015/12/12
世話役
12
単語としては耳慣れているものの実態を知る機会はなかなかない修験道や山伏について、現役の山伏である著者が平易な語り口で解説した本。修験道というと閉鎖的な山岳信仰の印象があったが、本来はその辺の寺や神社と協力して市井の人々の悩みに応えてきた、いわばカウンセラー的な在家の集団だったことなどがよくわかった。また、著者のいう明治維新と第二次大戦後の「二度の神殺し」=文化の破壊という視点は非常に腑に落ちた。修験道を信じる云々は抜きにして、今のあり方に違和感を感じる人は読んでみると何かを得られるかもしれない。2014/10/22
nizimasu
9
山伏さんの本を読んでから日本における修験道について興味津々。そんな好奇心を満たしてくれる内容の本と出会いました。修験道の成り立ちや密教や神道との関わり。吉野山や権現さまについてなど、本当に懇切丁寧な説明で神仏習合の中でまた成立してきた修験道の面白さは日本の伝統文化とも密接にリンクしているのがわかります。山への畏怖や崇拝というのは日本人のDNAの中に埋め込まれているような気がしてなりません2014/05/22
Tenouji
7
こちらは一変して感動的な内容。一気に読んでしまった。修験道に非常に興味がある、というより、この手の話を読むと、なぜか心がざわつく。吉野山に戻ってみるべきかな。学生時代、合宿で過ごした山に。2015/10/18
run
4
役行者については伝説ばかりを聞いていたので、だいぶイメージが変わった。「懺悔懺悔、六根清浄」の意味が少しわかった…かな。2014/10/11