集英社新書
原発、いのち、日本人

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  • サイズ 新書判/ページ数 199p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087206739
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0236

出版社内容情報

原発事故があらわにした日本の限界と危機!
9名の文化人が、原発、エネルギー、民主主義の在り方について思いと方策を熱く語る。日本というシステムの危機的状況と限界をあらわにした福島第一原発事故。最大級の難局を超えるために何が必要なのか。

内容説明

二〇一一年三月十一日に起きた福島第一原発事故は、日本というシステム自体の限界と危機的状況をあらわにした。この最大級の難局を乗り越えるためには一体何が必要なのか。浅田次郎、藤原新也、ピーター・バラカン、レーナ・リンダル、辻井喬、豊竹英大夫、野中ともよ、想田和弘、谷川俊太郎。九名の文化人が、原発、エネルギー、民主主義、そしてこれからの日本についての思いと方策を熱く語る。問題の先送りはもはや許されない。

目次

第1章 危機―浅田次郎(作家)「今この状態が議会制度と民主主義の危機であるという認識を持ってほしい」
第2章 原罪―藤原新也(写真家・作家)「水俣病と原発はある意味双子みたいなもの」
第3章 媒体―ピーター・バラカン(ブロードキャスター)「日本のメディアがおかしいということには、とっくに気が付いてました」
第4章 希望―レーナ・リンダル(持続可能なスウェーデン協会理事)「日本が原発の歴史、エネルギーの歴史の流れをがらりと変えてほしい」
第5章 転換―辻井喬(詩人・作家)「日本の場合は明治の頃の中央集権そのものなんで、やっぱりそこに無理がある」
第6章 懐疑―豊竹英大夫(文楽・太夫)「私は3・11以降でも、どちらかというと原発容認派だった」
第7章 持続―野中ともよ(NPOガイア・イニシアティブ代表)「時代が変わる時には『アホ力』が必要です」
第8章 覚醒―想田和弘(映画作家)「これほど日本人が政治的に覚醒しつつある時代は、ちょっとないんじゃないかと思うんですよ」
第9章 覚悟―谷川俊太郎(詩人)「絶望しても絶望したところから始めるのが一番いいんじゃないですか」

著者等紹介

今井一[イマイハジメ]
1954年生、ジャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

37
まず感じたのは原発自体が作られ稼働しているとき、今現在のような原発・放射線関連の本(専門書は除く)があまり出版されてこなかったこと、この本に載っているピーター・バラカンの「この国のジャーナリズムはどこか故障している」という言葉に同感。本来はやっているべきだったことを今討論したり議論している、一方では福島一号機の燃料は見当たりません。という笑い話のようなことをニュースで流している。わからないと皆が言っているということを伝えてはいるが、なぜわからないのかという突っ込みが足りないのが今の日本なのかな。2015/03/23

HIRO1970

25
⭐️⭐️⭐️新也さんが載っていたので読みました。国民投票、間接民主主義、直接民主主義、集団疎開、期待し過ぎない、アホになる、様々な提案や解釈があり、戦後日本の成長パターンである利権政治や金融経済の根幹である原発政策を変えることはかなり長い闘争になることが良く解ります。いのちの危険に晒されても目の前の現金には目が眩んでしまうのが人間だと結論づけたくはないが、世の流れは確実に一歩づつ古い轍にハマってきているような気がします。間違った道に何度も進んでいくようでは、つける薬は無いのでしょうか?進化を期待します。2014/05/18

壱萬弐仟縁

25
脱原発を巡る東京都知事選。都民でなくても関心がある。柏崎刈羽も新潟県知事の毅然とした態度には共感した。浅田氏は「なし崩し」を嘆かれる(23頁)。既成事実に弱い(24頁)ために、解釈改憲ともなってきた。消費増税について藤原氏は、「国家が国民を殴っている」(54頁)とされる。暴力的増税。文楽・太夫の英太夫氏は、40年やっても年収400万円(122頁~)という、苛酷な経済でも伝統文化を継承してこられた。頭が下がる。誰かが犠牲になる社会の象徴が原発。そこに群がる人が潤って、本来もらえる人が薄給という理不尽に怒り。2014/01/17

夜長月🌙@5/19文学フリマQ38

23
原発に関する9人の知識人による対談集です。夢のエネルギーとして始まったものがどうもそうではないとわかってきました。気付いたならば軌道修正しましょう。「たとえどんなに経済が成長しようとも命を侵すものはダメなんです。」地球の未来、人類の未来は私たちにかかっています。2016/03/13

けんとまん1007

21
この本が出てから1年半以上経過した。危惧されていることが、現実になっているし、さらに悪化しているようにも感じている。九人の九通りの視点が興味深い。そこから気づいたこと。沈黙は同意したことと見られるので、動くこと・発信することが大切である。短期的な視点も必要であるが、長期的な視点こそ必要。今の制度は古い制度のまま変わっていない。そして何より、父親の視点よりも母親の視点、子どもたちへの視点ということ。バラカンさんの日本のメデイアは信用していない。最後の谷川の視点・・絶望の中から始めるのが一番。2014/12/23

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