出版社内容情報
今こそ役立つ実存と構造の考え方とは?
20世紀を代表する思想──実存主義と構造主義。表裏の関係にある両者を、人生に指針を与える思考モデルとして読み解く。サルトルやレヴィ=ストロース、大江や中上を論じつつ、生きるヒントを呈示。
内容説明
二十世紀を代表する二つの思想―実存主義と構造主義。この「実存」と「構造」という概念は、実は表裏の関係にあり、人生に指針を与え、困難な時代を生きるための思考モデルでもある。同時代的に実存主義と構造主義の流れを体験してきた作家が、さまざまな具体例、文学作品等を示しつつ、今こそ必要な「実存」と「構造」という考え方について、新たな視点で論じていく。
目次
第1章 実存という重荷を負って生きる(宇宙の秘密に触れた医学生;「それでも地球は動く」と実存はつぶやく ほか)
第2章 実存を包み込む国家という概念(近代哲学は民衆を救えるか;国家を支える人倫という概念 ほか)
第3章 隠された「構造」の発見(構造は目には見えない;隠された構造があらわになる ほか)
第4章 実存から構造へ―大江健三郎の場合(日本における実存主義文学;私小説は実存主義文学の宝庫 ほか)
第5章 実存から構造へ―中上健次の場合(戦後生まれの文学が始まる;転機となったフォークナーとの出会い ほか)
著者等紹介
三田誠広[ミタマサヒロ]
1948年、大阪生まれ。作家。早稲田大学文学部卒業。『僕って何』で芥川賞受賞。早稲田大学客員教授を経て武蔵野大学教授。日本文藝家協会副理事長、日本ペンクラブ理事などをつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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