内容説明
地球の温暖化は人為的な二酸化炭素排出が原因とされ、ノーベル平和賞を受賞したIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が主導して、世界中でCO2の排出規制が叫ばれてきた。しかし、その論拠となった基礎データが捏造されていたことが二〇〇九年に露見する。このことは欧米ではクライメートゲート事件として大問題となっているが、なぜか日本ではほとんど報道されていない。本書は、地球の気候に関するさまざまなデータを科学的に読み解くことで、二酸化炭素の冤罪を晴らし、温暖化の実態とその真の原因を追い、エネルギーの正しい使い方を示す。
目次
第1章 二酸化炭素温暖化論が地球を破壊する(奇々怪々の現代;クライメートゲート事件;科学が明らかにした地球の気温変化;最大の影響を与える太陽の活動 ほか)
第2章 都市化と原発の膨大な排熱(ヒートアイランドと熱帯夜;最悪の地球加熱装置―原子力発電所;自然破壊の実態;生物の生命はどこから生まれたか ほか)
著者等紹介
広瀬隆[ヒロセタカシ]
1943年東京生まれ。作家。早稲田大学卒業。長年、エネルギー問題について原発から燃料電池まで精力的に分析・研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南北
33
いまだにマスコミ各社では猛暑日になると「地球温暖化」と言い続けていますが、去年(2017年)から今年(2018年)にかけての冬の寒さをすっかり忘れてしまったような報道ぶりです。そんな報道にだまされないためにも「地球温暖化」ではなくヒートアイランド現象こそが重要であること。その要因も二酸化炭素だけではなく、太陽活動の活発化や地軸の傾きの増加などそまぞまな要因が影響していることを知る必要があります。8年前の本ですが、今でも一読に値する本だと思います。2018/08/24
姉勤
30
自分の眼に映る世界だけが清浄であればいい。そして、視界の外の世界がどうなったとて知ったこっちゃない。前半と後半の内容は全く別の本だ。データやグラフを多用して二酸化炭素の増加と温暖化の因果関係は否定するが、環境破壊や経済活動による温暖化は、情緒を以って肯定する。病人が知識を用いると、「痴」となる。 読書は、それを戒めるいい機会だ。 2019/11/16
あっきー
20
⭐4 地球温暖化は無いとトランプが以前言っていて何おかしなことを言ってるんだと当時思ったが、もしかしたらそうかもしれない、CO2 排出による温暖化を主張するIPCCがあまりにもデタラメで信用できないし日本のマスコミもその延長にあるからだ、東北大震災の半年前に出版された本だが懸念が的中しているようで、いつもの痛快な書きっぷりが自分の好みで面白かった2023/01/15
C-biscuit
15
二酸化炭素排出削減全盛の中、非常に興味深い本である。個人的には地球温暖化は二酸化炭素が原因ではないと考えている。しかし、国の施策がそうなので、仕事柄合わせざるを得ない状態である。この本にある科学者たちもそのような状態だと感じる。マンガ日本史にもでてきていたが、縄文時代などは今よりも暖かかったことがわかっている。特に新しい知見としては、地球の公転や自転軸の傾きが大きな周期で動いているということであった。これにより氷期などのサイクルが生まれるようである。ヒートアイランドなどもいちいちもっともであると感じる。2015/07/27
mazda
13
卵が先か鶏が先か…。CO2が増えて気温が上がったのか、気温が上がってCO2が増えたのか。正解は後者です。気温上昇によって海水が暖められ、800年から1300年くらいあとにCO2濃度が高くなるという事実があります。さらに縄文時代は今よりも気温が高かった、1960~70年にかけてCO2排出量が増えたのに世界的に寒冷化が起きていた、などの事実から、CO2排出と温暖化に相関はないと言えます。南極の氷が溶けるのは自重が重すぎるから、海上にある北極海の氷が溶けても海水面が上がらないのは、小学生でもわかります。2020/07/06