内容説明
グーグルが、地球上すべての「本」を掌握してしまう!?複雑怪奇で巧妙な「ブック検索和解案」に世界中の著者・出版社・書店がパニックになるなか、著者はグーグルの正体を明らかにすべく、愚直に調査を開始。著作権侵害に対しては刑事告訴で対抗を試み、不当な和解案にはNYまで異議申し立てに飛び、共闘する作家と手を結ぶために欧州へ。本書は世界中の情報をのみこもうとするグーグルの策略と「デジタル書籍」のあるべき姿を考えるために必読である。
目次
第1章 春―黒船襲来(検索エンジンからの「和議」申し入れ;平成の世の「黒船襲来」 ほか)
第2章 初夏―刑事告訴(告訴状なら「所轄」の警察署へどうぞ;練馬署、グーグル和解案は「まやかし」と一刀両断 ほか)
第3章 盛夏―和解案の「正体」(“巨象”グーグルに忍び寄る“包囲網”;「青い目の契約書」には気をつけろ! ほか)
第4章 秋―対決(“欧州の明石昇二郎”を捜せ!?;ドイツでは「法務省の部長」まで抗議活動に参戦! ほか)
著者等紹介
明石昇二郎[アカシショウジロウ]
1962年東京生まれ。東洋大学社会学部応用社会学科マスコミ学専攻卒業。87年、青森県六ヶ所村の核燃料サイクル基地計画を巡るルポを『朝日ジャーナル』に発表し、ルポライターとしてデビュー。94年、日本テレビ・ニュースプラス1特集「シリーズ ニッポン紛争地図」で民放連盟賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maimai
8
Google,25歳の大学院生が創業したIT企業は世界を乗っ取る勢いで成長していますが、その中でも電子書籍が著作権に反するとして物議を醸し出しています。自らの理性により生み出したITサービスが世界企業ランキングにノミネートされる。そんな夢物語が可能になっている現代社会の中で逆に言えば世界中の企業がライバルとなり競争が激化していきますが、その中でも先人達の英知が結成された本は重要な要素をしめていると考えます。天才集団Google,その目指す先にあるものは一体何なのでしょう。2020/08/16
knoriko
4
本当にグーグルは悪者だよな・・・。勝手に他人の著作物をスキャンしてるくせにその画像に著作権を主張しているあたり、図々しいにもほどがある。日本法人の対応もひどいとしか言いようがない。『けっ。ちょっと人よりデータ持ってるからって、いい気になんなよな!』的なグーグルへの怒りをどうすれば良いものか?なにはともあれ、おもしろかった。特に最終章!小説みたいな怒涛の展開だった。次の黒船が到来しないことを切に願う。2011/01/07
qoop
3
個人的にまだノレないとは言え、書籍のデジタル化は止め様がない大波だろう。しかしグーグルの計略には、それとは別種の違和感と憤りを感じる。一企業の強欲さ、不明瞭な利権の構造なども留意点だが、情報の一極集中の怖さを強く感じた。う〜ん、けっこう感情移入して読んでしまった。2010/04/19
やすかりし
2
グーグルの『世界征服』に敢然と立ち向かう姿に喝采。ストリートビュー問題もそうでしたが、最初にこっそりコトを進めて、あとからそれを認めさせようとする際に、手前勝手な正義を振りかざすのが気に入らないですね。それにしても、日本の売上から消費税を支払っていないとは・・・。2010/05/30
ybhkr
1
Googleがこんなことしていたとは知らなかった。タイトルだけでは検索問題?と思うところだが、なんと日本の書籍を著者に断りなくスキャンし公開しているという。ヒェー!日本のGoogleは平気で嘘をつくんだな…。Googleは黒船ではなく海賊船…という例えにポンと手を打つ思い。和解契約書の内容がなかなか盗人猛々しい。担当者との会話は穏やかだが、やはり雑誌の連載記事から対策を取ったとも考えられる。結果的に今回はそれなりの収拾はついたが相手は海賊ですからね…。2017/03/13