内容説明
自由とは何だろうか。それは、単に義務がない状態のことではない。何でもしてよいと放り出された状況のことでもない。自分の思いどおりになること―これが「自由」なのだ。当たり前に思えるかもしれないが、このことの深い意味を知る人は少ない。しかし、これに気づくことが、人生をよりよく生きるポイントなのである。真の意味での自由を知り、自在に生きる。その秘訣について、人気作家がわかりやすく論じる。
目次
1章 人生の目的は自由の獲得である(人生の目的は自由;躰による支配 ほか)
2章 他者からの支配、社会からの支配(服装と自由;ブログの罠 ほか)
3章 身近に忍び寄る支配(考えること;人生における支配とパワー ほか)
4章 支配に対するレジスタンス(自由を得るために;職場に問題があるとき ほか)
5章 やっかいなのは自分による支配(老いと好奇心;老人には余裕がある ほか)
著者等紹介
森博嗣[モリヒロシ]
1957年生まれ。作家。工学博士。某国立大学工学部建築学科で研究をする傍ら、1996年に『すべてがFになる』で第一回メフィスト賞を受賞し、作家デビュー。以後、次々と作品を発表し、人気作家としての不動の地位を築く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
162
人生は不自由だからこそ自由を求める。拘束や制限の中で人は生きている。人は拘るほど視野が狭くなる。解放されたとき、何をしたら自由だと感じるのかを考え、意識することが大切。やりたいことをやるために前進する。待っていても好転することはない。自由側からはやってこない。一歩一歩、無理しない範囲で確実に進むしかない。寝る前に少し読書する。明日も楽しいことが待っていると思って灯りを消すことができれば幸せだと思う。ときどき嫌なことがあってもその先に自由が待っているはずと思えれば、生きていても楽しい。願わない夢は叶わない。2020/08/22
mitei
89
著者が自由自在に生きている様がよく分かった。私もこのような自由さを日々求めていきたい。2012/04/12
kinkin
66
自由、自由と言っても何が自由でなにが不自由なのか、それは人によって捉え方が違うのが当たり前。当たり前すぎて普通に使いすぎて自覚もない。そんな状況でこの本を読んでみた。森博嗣さんの本はこうすべきだ、こうじゃないといけないとは書いていない。自分で考えるということが他者、自分に対しての支配から解放される。「非合理な常識よりも、非常識な合理を採る。それが自由への道」という言葉は大切にしたい。2015/03/01
akira
51
新書第4段。 予定通り面白い。いろいろ気づく点も多かった。 「不自由」の半分は「他者の目」によるもの。他人が自分の人生を生きてくれる訳ではないし、気にしすぎると損。 そして森先生の本に度々出てくる「抽象」。これが全然分からない。具体的なものが良い固定概念があるから、なかなか馴染めない。「『抽象力』を持っている人は本質を見出だせる」これは要思索。 あくまで自由の判断は自身。自分をどう変化させるか。 「こうした体質のハンディは必ずある。人と比べてもしかたがない。自分がどうなりたいのか、だけが問題である。」2013/05/22
香菜子(かなこ・Kanako)
41
自由をつくる 自在に生きる。森博嗣先生の著書。私は自由が大好きで時として自己都合優先、自分の価値観優先で自分勝手に振舞ってしまうことがあって反省することも多いけれど、非常識人と後ろ指をさされるのも怖くて、どこか決まった枠組みやルールに自分自身を束縛してしまいがち。自分勝手な自分と周りの目を気にし過ぎる自分。二面性があるのかな。でも、森博嗣先生の言うように、自由をつくって、自在に生きることこそ、人間らしい生き方なのかなと思います。 2019/06/08