内容説明
日本では、恐竜や海竜の化石に「リュウ」の名が付けられる。ニッポンリュウ、モシリュウ、フタバスズキリュウ、フクイリュウ…。それらは学名ではなく愛称にすぎないが、多くの人々が「リュウ」の響きに魅せられ、魔力にとりつかれてきた。そして、かつては“恐竜不毛の地”と言われた日本で、続々と「リュウ」たちの化石が発掘されるようになった。本書は、緻密な取材によって、太古の怪物たちの亡骸と格闘した人々と、化石たちの辿った数奇な運命に迫る、本邦初の「国産恐竜発掘史」である。
目次
第1章 消えたイナイリュウ
第2章 日本最初の恐竜モシリュウ
第3章 もう一つの「日本初」ニッポンリュウ
第4章 エゾミカサリュウがたどった運命
第5章 リュウの昭和史とフタバスズキリュウ
第6章 手取層群と平成の恐竜たち
著者等紹介
笹沢教一[ササザワキョウイチ]
1965年群馬県生まれ。東北大学理学部卒業。読売新聞東京本社科学部記者。2002~06年米ワシントン特派員。08年度米ウッズホール海洋研究所ジャーナリズムフェロー。日本古生物学会、米古脊椎動物学会(SVP)会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いちはじめ
4
骨格標本が紛失したのだの、後に恐竜ではないことが判明しただの、まさに死屍累々の感あり。科学する姿勢というものを考えさせられる。2009/04/23
takao
2
ふむ2024/05/14
Tatsuya
1
恐竜の生態とかを解説した本は色々読んだけど、恐竜の化石発掘や論文発表に携わる人達に関する歴史というのは全然読んだことがなかったので、非常に興味深かった。しかも海外ではなく日本における発掘の話ということで、親近感も沸いて集中して読めた。「研究」と「町おこし」との板ばさみ、というなかなかに解決の難しそうな問題が印象的。近いうちに兵庫と福井の博物館には行きたい。2009/11/23
メイロング
1
岩波ジュニア新書「日本恐竜探検隊」と対を成しているな、とパラパラ読み返してみて思った。見どころは一章のイナイリュウと、第4章エゾミカサリュウ。紛失やなかったことにされたりと不遇な、いわば影の日本恐竜史と読み取れないだろうか?2009/04/27
V林田
1
フタバスズキリュウとか、最近どうなってるか知らんかったのを詳しく知れたのは、かつての恐竜少年としてかなり収穫2009/04/02