内容説明
NGO、NPO、人道支援といった言葉には俗耳になじみやすい「正しいことをしている」という響きがある。しかし、実態はひとりよがりの善意の押し付けといったものもある。ヨーロッパで生まれた人道支援という考え方の歴史を踏まえ、実際的な理念と原則を知ることが、せっかくの善意をとどけるためには重要になってくる。国家と国家という枠にとらわれず、そうした活動にこれから個人がどうかかわっていくのか。長年、国際赤十字・赤新月社連盟委員をつとめた著者ならではの経験と指針が、本書にはたくさんつまっている。
目次
序章 問われる人道支援のあり方
第1章 人道支援の理念と人道の原則
第2章 公平な人道支援と政治的、社会的権力からの独立
第3章 中立の原則と支援活動の安全確保
第4章 武力紛争下の人道支援
第5章 ボランティア、NGOの人道支援
第6章 難民の救援
第7章 武力による人道的介入
第8章 人道支援のあり方
著者等紹介
野々山忠致[ノノヤマタダユキ]
1933年生まれ。東京大学法学部卒、ケンブリッジ大学MA。駐ヨルダン大使、駐ノルウェー大使、桜美林大学国際学部教授を歴任。その間、NHK国際放送番組審議会委員長、国際赤十字・赤新月社連盟財政委員会委員をつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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てっしー
1
岩手のほうに震災復興ボランティアに行くことになり、サブタイトルに釣られ、「ボランティアとは何か」ということをしっかり考えてから行こうと思い購入。実際はもっと広い意味での人道支援について書かれており、どちらかというと戦時における支援に重点が置かれていました。しかし、それはそれで現状や課題などが分かり、大変勉強になりました。2011/09/24
AKT
0
中立や公平といった概念を様々な人道アクターの事例を用いて説明しており、支援の裏側の大変さを知ることが出来る。何のために支援をするのか、その目的を見失わないことが自分の判断の軸になることを教えられた。赤十字五人委員のモワニエが、「人間は戦争を起こす宿命から逃れられない…戦争によって生まれる苦痛を軽減することが何で間違っていようか…」と述べている。人道支援に関わろうとする人間にとって、支援を美化せず、外部の意見や圧力に屈することのないようにするために、知っておくべきことが書かれてある。2014/08/30
ひーでー
0
★★★☆☆
千鶴
0
ゆっくり読む時間がなくて表面的にしか読めなかったから再読するつもり2009/07/20
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