内容説明
人間の生活は、石油なしでは成り立たない。私たちは無数の石油製品に囲まれ、移動や輸送、発電など、あらゆるものを石油に頼っている。しかし、過去も現在も、石油は単に恩恵をもたらすだけではなかった。経済的搾取や、資源をめぐる政略と戦争は今も繰り広げられ、地球規模での環境負荷も限界にきている。しかも、石油資源は無限ではない。その枯渇の可能性が叫ばれている今こそ、石油についてもっと知るべきではないだろうか。数十億年を遡る石油の誕生から現代まで、新エネルギーの可能性なども含め、豊富な取材をもとに、あらゆる角度から解説する。
目次
石油の誕生
石炭の凋落
テチス海からの追放
寒さの中へ
ロックフェラーの亡霊
的中率を高める
余波
原油の呪い
炭素の危険性
空タンクで走行中
新旧の挑戦者
瀕死の苦悩
著者等紹介
シャー,ソニア[シャー,ソニア][Shah,Sonia]
米ボストン在住のジャーナリスト。South End Press誌、Nuclear Times誌の編集を経てフリー
岡崎玲子[オカザキレイコ]
1985年兵庫県生まれ。『9・11ジェネレーション』で第三回黒田清日本ジャーナリスト会議新人賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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サカモトマコト(きょろちゃん)
2
石油が発見されてから現在に至るまでの歴史がわかる本。 石油が発見されたことにより人々の暮らしはより豊かになった裏で環境破壊や国や地域での対立や事故など参阿ざまな悲劇が起きていることなどが書かれており大変勉強になりました。2018/03/02
タツヤ
1
結局、資源を使い切るまで、利益がなくなるまでは絞り取り続けるのだろう。2021/02/21
Ryan
1
最近のシェール革命風力-太陽光発電の進展の前に記された本だが、中々鋭い。特に、エネルギー企業と途上国間の歴史は生々しい。2020/01/07
(ま)
1
未だに呪いから抜け出せないもの、裏で蠢くもの2019/06/27
KJ
1
石油の歴史をさくっと知るにはうってつけ。とはいっても歴史のことばかり書いているわけではなく、現在のことも書いている。FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)を用いた深海からの石油開発の環境への悪影響という問題点など、個人的に全く新しい発見もあり。分厚い石油の絨毯が突然足元から引き抜ける日は果たして、いつなのだろう。2012/08/08