集英社新書
アメリカの原理主義

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087203493
  • NDC分類 311.4
  • Cコード C0236

内容説明

長く特派員としてアメリカ社会の変容を見つめてきた著者が、「社会の座標軸がズズッと右にずれたような変化」を感じ始めたのは一九九〇年代半ば。アメリカ国内で繰り返される不可解なテロ、中絶や同性愛をめぐる深刻な軋轢、信仰の熱心さが生み出す分極化―文化の多様性を拒む何かが、地下からはっきりと姿を現していた。現地での取材、インタビューを積み重ね、著者は、その源流が清教徒による建国思想、過激な反連邦政府意識、白人優越主義などに端を発する、「アメリカ原理主義」ともいうべき宗教右派の動きに結びついていくのを知る。

目次

第1章 極右の存在
第2章 争点の風景
第3章 宗教右派
第4章 転向―中絶をめぐって
第5章 同性結婚をめぐる争乱
第6章 カルチャー・ウォーズ
第7章 純潔と禁欲
第8章 よみがえる建国の父たち
第9章 テロの衝撃と使命
第10章 神への傾斜

著者等紹介

河野博子[コウノヒロコ]
1956年福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、コーネル大学で修士号(国際開発論)取得。読売新聞社会部次長、ニューヨーク支局長を経て2005年より編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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鈴木誠二

1
2006年の本ですが、おそらく今もアメリカの構造は変わっていないのではないでしょうか。いろいろ考えさせられました。個人的には、今の日本にもアメリカと似て非なる形で、日本の独自性&特殊性を信奉する「日本の原理主義」的なものの影がこの本を読んでいる間、脳裏にちらついていました。2014/02/06

いなもと

1
筆者が行ったインタビューを元に進む部分が多く、内容人物ともに身近に感じられる。立て続けにアメリカのキリスト教関連の本を読んでいるが、ジャーナリズムの観点から書かれている本の中ではとても取っ付きやすく、内容そのものはベーシックでも実際の談話が読めるのは良い。2010/04/30

0
景気が最高潮だったときに大統領がホワイトハウスで女の子とやましいことをして国民の信頼と失い、その反動から米国民に新大陸アメリカに渡った清教徒と建国の父の精神を呼び起こさせ、宗教右派と新保守主義者を奮い立たせたというあたりが、民主党に失望して自民党支配に戻った昨今の日本の動きに似ている。でも超大国であるだけに、選民思想と妙な使命感で自己基準の世界秩序を押し付けてくると、多くの非白人国家や、非キリスト教国家にとっては相当な迷惑。おそらく現オバマ政権では、またずいぶんと違った国民感情がうごめいているんだろうな。2014/02/26

みそぱん

0
ピューリタンの建国思想に端を発する「宗教右派」の動きがアメリカの底流に広がっているという。内容の多くが自分が知る限りのアメリカ像と噛み合い、納得した。2012/09/19

可兒

0
感情的でなく、かなり公平に書いているのが印象に残った。逆に言えば、これまで見てきたこの手の論は、おおむねアメリカの「宗教右派」を理解不能とみなしていたのだろう。それじゃお互い様だってのに2008/12/11

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