内容説明
1907年に制定された「らい予防法」によって強制的に療養所に隔離・収容された日本のハンセン病患者たち。1916年法律が“改正”され、所長には患者の懲戒検束権が与えられ、反抗的とされた患者を監禁所と呼ばれる科刑の場に拘束することができた。さらに草津・栗生楽泉園には「重監房」という事実上の監獄が設けられ、正式な裁判もないまま収監された患者たちは苛烈な懲罰に苦しみ、命を落としていった。死を意味した「草津送り」に光を当て、封印されたハンセン病患者の受難史を浮き彫りにする。
目次
第1章 無知から始まる旅
第2章 医学の物語
第3章 烙印の物語
第4章 世界最悪のパターナリズム
第5章 重監房であった出来事
終章 この場所を遺せ
著者等紹介
宮坂道夫[ミヤサカミチオ]
1965年長野県生まれ。早稲田大学教育学部理学科卒業。大阪大学大学院で医科学修士号、東京大学で博士号(医学)取得。新潟大学医学部保健学科助教授。専門は生命倫理学・医療倫理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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