内容説明
推古以来、飛鳥朝から奈良朝にかけて、六人の女帝たちが誕生した。これほど多くの女帝たちが集中して登場した時代は、世界史的にみても例がない。女帝が役割を終えるのは、平安初期に皇太子制度が整備されたことによるが、女帝はどうしてわが国に、それも古代に集中して登場したのか。皇位継承の中で果たした女帝の役割は、何だったのか。元明天皇即位の詔に出てくる「不改常典」という言葉に隠された、真の意味とは?本書は、女性天皇という存在に光を当てることで、古代の王権の知られざる相貌を浮き彫りにする。皇位継承のルールを解き明かした、新たな古代日本史。
目次
第1章 嗣位すでに空し(穴穂部皇子の反乱;女帝の「ワカミタフリ」 ほか)
第2章 皇位継承法を変えた女帝(吉野の盟約;称制の女帝 ほか)
第3章 女帝幻想(悲しき女性皇太子;呪縛された女帝 ほか)
終章 女帝とは何だったのか(女帝の係累;女帝と斎王 ほか)
資料編
著者等紹介
滝浪貞子[タキナミサダコ]
1947年大阪府生まれ。1973年京都女子大学大学院修士課程修了。京都女子大学文学部教授。文学博士。専門は古代日本史。NHK講座「歴史で見る日本」で飛鳥~平安時代を担当(1989年~94年)
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感想・レビュー
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ユウユウ
1
☆32024/10/12
ユウユウ
0
意外に聖武天皇を評価していて、ある意味新鮮でした。
rbyawa
0
f252、ここに出てくる天皇、女帝の名前やだいたいの業績くらいはわかっているものの、正直なところ順番がよくわからず、なんでだろう、と思っていたら「そもそも女性天皇はつなぎの役目である」という視点が欠けていたわけか。実際男性でつなぎの役目を負ったこともあったものの、いざ権力の地位に着くと自分の息子に継がせようとしてしまう、ということだと女性が無難ということにもなるか。ただ、お飾りであったわけでもなく、一定の権威・権力は備えてはいたのだとか(斎宮がいないわけでもないものの、常設ではなさそうだとかね)。面白い。2015/12/22
sodium hydride
0
(再読だけど以前の感想をうっかり消去してしまった)二度目だがやはり読みづらかったのは近親婚のせい。サザエさんが持統天皇だとすると草壁皇子がタラちゃんでその妃がワカメちゃんになる。タラちゃん(草壁皇子)とワカメちゃんの間に男の子と女の子が生まれる。タラちゃんが早逝したためサザエさん(持統天皇)が頑張って孫に譲位する(文武天皇)。2023/02/27
さとちゃん
0
「女帝の古代日本」を読んだときにも自分の基礎知識が無いことを痛感したが、今回もあまり進歩無いまま挑んだので、巻末の系譜や年表がないとお手上げだった。天皇への即位は30歳を超えていることが条件だった、というのは本書を読むまで気付かなかった。また、立太子は必ずなされたわけではない、というのも本書にて始めて知った。まだまだ勉強が必要だなぁ。2019/09/17