内容説明
1997年度英ブッカー賞受賞のインド人女性作家、アルンダティ・ロイは、人権の抑圧に抵抗する政治活動でも注目されている。急速なグローバリゼーションや米国の圧力、強圧的なインド政府によって生きていくことが脅かされてきた人びとの力になるために、自らの良心に従って積極的に発言しつづける。権力政治が人びとを脅かす現代インドの過酷な状況や、国際社会の矛盾を鋭く批判するエッセイ六篇を集めた、心に響く論文集。
目次
女たちは気づいている…“専門家”には任せておけないことに
アヒンサー(非暴力の抵抗)
市民が異議を申し立てる権利
ノーム・チョムスキーの孤独
聖者が町から出てゆく―マーティンとモハンダスとマンデラの不思議な運命
権力政治―ルンペルシュティルツキンの再来
著者等紹介
ロイ,アルンダティ[ロイ,アルンダティ] [Roy,Arundhati]
1959年、インド・ケララ州生まれ。デビュー作『小さきものたちの神』で、1997年度英ブッカー賞を受賞、大きく注目される。戦争や人権侵害に反対する姿勢でも、世界から尊敬を集めている
加藤洋子[カトウヨウコ]
東京生まれ。文芸翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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RED FOX
8
それぞれの事件のスケールの大きさがインドの偉大さと大変さを物語っているのでしょうか。インドを憂える女性作家が、グローバリズムとその取り巻きを挑発するする!!!書きっぷりが知的で文学的でとてもカッコイイ。2014/03/31
samandabadra
0
学生時代、ナルマダダム建設反対運動で 大学にやってきたインドの活動家の人たちを思い出した。 2009/09/28
Ryota Nishi
0
作家/運動家の分断を蹴散らす。エネルギー/開発(ダム)/貧困。小説も読み直してみようかしら。2012/03/04
Ise Tsuyoshi
0
本棚を整理していたら出てきたので再読。英ブッカー賞を受賞したインド人作家による、政治をテーマにしたエッセー集。出版は2004年。トランプも困った大統領だったが、国際的に見れば、それ以前の米国(特にブッシュ政権時)もなかなかのものだ。「自らの神性を信じているからこそ、合衆国政府は、”相手のためを思って”他国民を殺したり、根絶やしにする権利と自由を自らに与えたのだろう」(p.73)2021/02/27