集英社新書
「面白半分」の作家たち―70年代元祖サブカル雑誌の日々

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  • サイズ 新書判/ページ数 221p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087202045
  • NDC分類 051
  • Cコード C0295

内容説明

七〇年代を象徴するサブカルチャー・マガジン「面白半分」は吉行淳之介、野坂昭如、開高健、五木寛之、藤本義一、金子光晴、井上ひさし、遠藤周作、田辺聖子、筒井康隆、半村良、田村隆一が交代で編集長を務めた。この雑誌の発行人だった著者は、吉行とパチンコをし、野坂と「四畳半襖の下張」裁判の被告席に座り、開高とキリタンポを食べ、五木と「日本腰巻文学大賞」を創り…十二人の文学者たちと、足掛け十年間雑誌を作り続けた。本書は、若き編集者だった著者が、魅力的な個性たちと共有した「面白半分」の日々を描いた実況ライブスケッチである。

目次

第1章 「オモシロ」と「マジメ」のあいだ(暖炉;随舌 ほか)
第2章 「わいせつ」と「表現」のあいだ(学歴詐称とベストセラー;精密な記憶力と独自の観察眼 ほか)
第3章 「苦さ」と「甘さ」のあいだ(おもしろさのエキス;『新しい天体』追体験 ほか)
第4章 「腰巻」と「風」のあいだ(電話;日本腰巻文学大賞 ほか)

著者等紹介

佐藤嘉尚[サトウヨシナオ]
1943年秋田県生まれ。エッセイスト・編集者。慶応義塾大学文学部国文科中退。71年株式会社面白半分を設立、月刊誌「面白半分」を創刊し、80年まで発行する
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感想・レビュー

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kokada_jnet

84
70年代を代表するサブカルチャー雑誌の編集長だった著者の回想録。私は名前しかしらず、現物を古本屋で見たこともない。筒井康隆が編集長をして「腹立半分日記」を連載した雑誌、という程度の印象だったが、この本を読んで非常に「濃い」雑誌だったことがわかった。今の「サブカル」とは違い、純文学作家が主導する「サブカルチャー」の時代だった70年代。劇画の隆盛に対する怒りが、唐突に書かれているのには驚くが(劇画の売り上げがあがるにつれ、雑誌の売り上げはさがり、赤字が増えたとのこと)、1943年生まれの著者の世代故か。2022/01/20

山田太郎

40
筒井・半村の時が読みたかったけど、ほとんど書いてない。編集長やめてペンション経営というのはなんか愉快。今この手の雑誌作っても多分全然売れないんだろうな~2014/04/21

bakumugi

3
70年代元祖サブカル雑誌「面白半分」に関わった作家たちの素顔、雑誌制作エピソードに触れられる本。吉行淳之介、五木寛之、開高健の人となりを知って楽しみたいならこの本。金子光晴と四畳半裁判のエピソードについて読みたいなら平凡社新書のほうがおすすめ。個人的に、著者と開高健に縁のある館山のホテルに投宿したこともあり、雑誌と著者に縁がなかったのが残念。団塊の世代が語ると素直に肯けないが(失笑)、70年、いい時代だったんだな。

ほたぴょん

2
今となっては隔世の感があるが、かつて紙媒体の雑誌が世間をリードし、時に大きなムーブメントを起こしていた時代があった。自分の年代では「ビックリハウス」や初期の「HotdogPress」あたりがすぐに頭に浮かぶが、それよりも前の世代の代表格が「面白半分」と言っていいと思う。その「面白半分」の編集者による回顧録が本書。連載や作家の内容に斬りこむものではないが、当時の雰囲気は伝えていると思う。親交の程度によるものかと思うが、中では初代編集長である吉行淳之介にまつわる思い出話が出色。2019/03/30

マーク

1
36 とても面白く読んだ。半分以上。ワシはこういう生き方、したかったのかなあ。羨ましい。 ●吉行淳之介 ●開高建 日本三文オペラ ●五木寛之 風の王国 ●高恵美子 開高建の愛人?大変な美人。開高没後、1年で自死。五年後娘の開高道子、自死。妻、牧羊子、孤独死。 2021/01/30

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