内容説明
「幽霊付き」「出る」となれば、その不動産の価値まで上がるという、怖いもの好き、古いもの好きの英国人。英雄、裏切り者入り乱れ、権謀、スキャンダル渦巻く長い英国史には、ところどころに目印のように幽霊が立っている。一見おどろおどろしいそれらは、しかしよく見れば、声をあげない民衆の目に映った、別の姿の歴史を指し示している。そうした伝承の歴史に目を凝らし、今も残るゴースト伝説の地を訪ね歩いた、ユニークな読物・英国史。
目次
第1章 民族の英雄となったゴーストたち(ローマに立ち向かった女傑、ボアディケア;英雄復活願望の産物、アーサー王;聖者伝説とゴースト伝説;最後のアングロ・サクソン王;魔法使いになった海賊船長)
第2章 歴史を動かした女たち(愛されるゴーストとなったフランスの雌狼;ヴァージナルを奏でる流血のメアリー;処女王エリザベスの三つの顔;スコットランド女王、メアリーの死)
第3章 ゴースト伝説が伝える権力者の素顔(赤顔王ルーファス;碩学王の美名のもとに;聖者となった荒法師、トマス・ア・ベケット;マグナ・カルタとブラマー城の悲劇;信仰の擁護者の素顔)
第4章 華やかな歴史の陰に(エドワード四世の幼き後継者;最後のプランタジネット、マーガレット・ポール;野心の犠牲者;夫の不倫相手は女王陛下;いまだ戦いを続ける国王、チャールズ一世;議会政治の父から「国王弑逆者)
著者等紹介
石原孝哉[イシハラコウサイ]
1943年、山梨県生まれ。駒沢大学教授。駒沢大学大学院修了。77年~78年、2002年~03年、ケンブリッジ大学客員研究員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
佐島楓
Kouro-hou
ハルバル
大泉宗一郎