集英社新書
残り火のいのち 在宅介護11年の記録

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  • サイズ 新書判/ページ数 221p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087201598
  • NDC分類 916
  • Cコード C0236

内容説明

残り少ない大切ないのちを、最期まで慈しんだ―。本書は、痴呆症を病んだ老齢の母に、あたう限りの愛情を注いで在宅で看取った、ある女性の11年間に及ぶ感動の記録である。「介護者有業副介護者なし」という過酷な条件の中で、著者は福祉公社やボランティアの人たちの「社会の手」を借りて、仕事と介護を両立させ続けた。幼児に還っていく母は、ほんとうにいとおしかった。母は、生きる勇気と力をくれた。これは、介護という現実に直面している方々への、あたたかな励ましの書でもある。

目次

自宅で母は自然に逝った
介護者有業副介護者なし
社会の手を借りる
寝たきり痴呆と宣告される
母のひと言に救われる
わが家にいい空気を作った
夢と目標をみんなで共有した
「介護ノート」から
もう入院はしない
点滴は必要なのか
仕事を休んでください
満月の夜
再び口から飲み始める
風邪は恐い
介護保険に思う
二四時間の看護サービスが欲しい
ママが死んでしまう
叔父は社会の手で看取られた
いのちのゴール
ライフ ゴーズ オン

著者等紹介

藤原瑠美[フジワラルミ]
1947年、東京都生まれ。清泉女子大学英文別科卒業。68年、銀座和光に入社。同社宣伝企画部副部長、婦人用品部部長、広尾店店長を経て、2000年に退社。90年より痴呆症の母の在宅介護を、福祉公社の協力会員の手を借りて仕事と両立させ、2000年まで在宅で母を看取る。地方三〇紙に「7年目の介護」を連載。ホスピタリティ・プラネット主宰。日本ペンクラブ会員
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kentaro

4
90年当時在宅介護という言葉が一般的ではなく、やむ無く施設や老人病院を利用するケースが多かった。大田区福祉公社が「家事援助サービス事業」を始めたのは90年10月だった。それでも利用者は138人、一人当たりの一週間の利用時間が6時間に満たない状況であった。 そんな中、認知症を患った老齢の母に11年間にわたり、在宅で自力でトイレに行き、自力で水分やゼリーをとり、最後まで人間らしくいのちを全うしてもらった状況を公社の福祉士や看護士、訪問医療の先生の力をかりながら全うした介護日記からその実情を紹介した内容だった。2018/10/25

Akira Kumoi

3
お母様の在宅介護について綴られた11年の記録。前作「ボケママからの贈り物」のその後についても触れられています。認知症でお一人での入浴が難しくなったお母様をお風呂に入れた藤原さん。風呂上がりに裸の二人がお母様のお部屋に入ろうとしたときのエピソードには思わず頷いてしまいました。「母は自分の部屋に男性がいる、恥ずかしくて中に入れない、と身をすくめた。確かに部屋からは太い男の声が流れてくる。テレビがついていたのである。母はまだ羞恥心を失っていない。そう分かると私は嬉しかった。」2016/04/10

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