内容説明
祖国なき最大の民といわれるクルド人。居住地域はクルディスタンと呼ばれ、おもにトルコ、イラン、イラクにまたがり、面積はフランス一国にも匹敵する。さらにその人口は二五〇〇万人とも推定され、パレスチナ人約八〇〇万を大きくしのぐ。クルドの名は、古代シュメールにまで遡り、かのイスラムの英雄サラディンもクルド人であった。十九世紀末以降、自治、独立を求める戦いを激しく繰り返すが、常に居住国の中央政府、西欧列強、近隣諸国の利害に翻弄されつづけ、分断されてきた。九一年の湾岸戦争後、クルドはようやく日本でも報道されるようになるが、問題の大きさに比べて、その認識はまだまだ低い。本書は、パレスチナとならぶ中東地域における大きな火種のひとつ、クルド問題に光をあてるものである。
目次
クルドの地を訪れて
トルコ、オジャランの武装闘争
イラクの「クルド地域政府」
クルド人とは
クルド前史
第一次大戦が終わって
新生トルコとパーレビ王朝
バルザニ兄弟の抵抗―イラク
幻のマハーバード共和国―イラン
ホメイニ革命とクルド―イラン
バルザニとタラバニの反目と抗争
イラ・イラ戦争はじまる
PKK、トルコ政府と対決
トルコでの弾圧
国際関係のはざまで
“祖国”建設への展望
著者等紹介
川上洋一[カワカミヨウイチ]
1938年、中国・青島市生まれ。諏訪東京理科大学教授。62年、東京大学法学部卒業、朝日新聞社入社。経済部を経て、主として外報部勤務。85~88年中東アフリカ総局長、90~92年ニューヨーク支局長を務める。98年退社
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感想・レビュー
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