内容説明
子どもたちの行動が、親や大人には解読不能になってしまった。子どもは「自尊心のかたまり」として誕生し、親の視線の中で成長していく。虐待や暴力を受けることもある。不登校、学級崩壊、引きこもり、カルト宗教…時代はさらに苛酷になり、彼らは必死にこの現実を生き抜こうとしている。著者は長年にわたる少年少女との継続的な対話・取材を通して、彼らが回想した「物語」に着目。現代の家族、社会の問題点を鋭く指摘する。新潟監禁事件、バスジャック事件などにも言及し、なぜ子どもにとって「生きにくい」社会になってしまったのかを問いかける。
目次
第1章 不登校の物語―目標喪失の学校世界から(「子供たちをよろしく」;大人が嫌いになった ほか)
第2章 置き去りの物語―恐怖と孤立無援の世界から(「支配」からの卒業;「あたしのいるとこ、あんのかよ」 ほか)
第3章 期待に応える物語―アダルト・チルドレンの世界から(敢闘賞の人々;家族の孤立化 ほか)
第4章 日常からの離脱物語―生まれ変わりの世界から(モア・スレンダーとプレ現実;輪廻転生と前世 ほか)
第5章 めぐり会いの物語―「恋」をする世界から(関係の息苦しさ;閉じたミクロの社会 ほか)
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- 和書
- 種をあつめる少年