出版社内容情報
中毒し佐保に留まっていた大王は回復に向かっていた。だが、大王とともに倒れた王子たちそして彼らを見舞う名目で訪れた豪族たちは佐保に留まったまま。
何より、真秀と真澄――滅びの子の訪れに、佐保の人々は慄いて……。
その頃、佐保から姿を消した佐保姫は、真秀の力で素性を偽り、自らの意志で大王不在の王宮に残っていた。真秀と瓜二つの佐保姫に出会い、驚愕する歌凝姫、そして須久泥王。
王宮で、これまで知ることのなかった人の悪意に触れた佐保姫は戸惑い、それでも真秀を慕う真心を失わないのだが……。
ついに佐保の長老・穂波は、佐保一族が生きのびるため、「滅びの子」たる真秀と真澄を殺そうと決意する。
今や誰も叶わぬ強大な霊力を顕した真秀を倒すためには、佐保の霊威そのものである「那智」の力を使うしかない。そして、「那智」の憑依坐として選ばれたのは、誰よりも佐保彦を、そして佐保一族を愛する男・速穂児だった。
真秀と速穂児の死闘の火蓋が切って落とされる。人の力を超越した凄まじい霊威がぶつかり合い、誰も二人を止めることはできない。だがその時、御影の口から思いがけない真実が明かされて――!?
巻末解説:須賀しのぶ
【目次】