出版社内容情報
居場所を見つけられない高校生たちの、ある夏の青春ジャーニー。
高二の夏休み直前、心春のもとに「ハヅキさんが事故に遭った」と同級生のフミアキから連絡が入る。三年前、家の事情で東京から両親の地元・長野へ引っ越し、密度が濃すぎる村の人間関係になじめずにいた心春は、図書館で不思議な女性・ハヅキと出会い、自分を肯定してくれる彼女に救われ、その居候先であるフミアキ宅に足繁く通うようになる。引っ越しを機に両親と素直に話せなくなっている心春にとって、ハヅキは唯一心を許せる大人だった――昨年、急に千葉へ行ってしまうまでは。そんなハヅキの願いにより、フミアキ、それからフミアキと仲のいい育央も含めた三人で、心春は彼女のお見舞いへ行くことになる。ハヅキに置いていかれた寂しさと恨み、だけど会いたい気持ちで心揺れる心春は…?
【目次】
内容説明
高二の夏休み直前、心春のもとに「ハヅキさんが事故に遭った」と同級生のフミアキから連絡が入る。三年前、家の事情で東京から両親の地元・長野へ引っ越し、村になじめずにいた心春にとって、彼女は唯一心を許せる大人だった。昨年、いきなり彼女が村を去るまでは。ハヅキさんの願いにより、フミアキ、彼の友達・育央と一緒に、見舞いへ行くことになるが…?
著者等紹介
透野すい[トウノスイ]
『水蜜桃の朝』(doi名義)で第225回短編小説新人賞入選、2023年度年間最優秀賞を受賞。本作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
21
高2の夏休み直前、心春のもとにハヅキさんが事故に遭ったとかつての同級生のフミアキから連絡が入り、複雑な想いを抱えながら会いに行く青春小説。3年前に家の事情で東京から両親の地元・長野に引っ越して、環境の変化に上手く馴染めなかった心春が、自然体で付き合ってくれるハヅキと出会い、居候先であるフミアキ宅に足繁く通うようになった日々。しかしハヅキが急に千葉へ引っ越して、高校に行っても相変わらずで、そんな彼女がフミアキたちと一緒に会いに行った旅路と、切なくも何かが吹っ切れたような結末には彼女の確かな成長を感じました。2025/08/14
栗山いなり
9
高校生・小春の元に中学時代仲の良かった大人の女性・ハヅキが車に跳ねられたと連絡が入った事から始まる青春小説。同情できる部分はあれどいわゆる「クソガキ」と言えるであろう少女の成長物語だったけど中盤までの重苦しさが一気に晴れていく終盤の展開は素直に賞賛したい作品2025/08/03