出版社内容情報
大学時代に亜季をひどく傷つけた男、瀬名良平。パテント・トロールで荒稼ぎをする総合発明企画に勤める瀬名の策略で、亜季は会社の内部情報を漏洩しているのではないかと疑いをかけられてしまった。潔白を証明することも難しく、退職まで決意した亜季を止めたのは、尊敬する上司の北脇だった。ふたりは瀬名を呼び出して反撃に出ようとする。亜季を操作するのは簡単だと信じている瀬名は、懐にICレコーダーを忍ばせて呼び出しに応じるが………? 月夜野ドリンクは看板商品『緑のお茶屋さん』を守り切れるのか!? そして亜季と北脇は……? 「知財」をめぐるお仕事小説、緊迫のシリーズ最終巻!
内容説明
瀬名良平の策略で、会社の内部情報を漏洩しているのではないかと疑いをかけられてしまった亜季。潔白を証明することも難しく、退職まで決意した亜季を止めたのは上司の北脇だった。亜季と北脇は、瀬名を呼び出して反撃に出ようとするけれど…?月夜野ドリンクは看板商品『緑のお茶屋さん』を守り切れるのか!?そして亜季と北脇は…?緊迫のシリーズ最終巻!
著者等紹介
奥乃桜子[オクノサクラコ]
群馬県出身。雑誌Cobalt短編小説新人賞に入選の後、「あやしバイオリン工房へようこそ」で2017年ノベル大賞佳作受賞、同作で文庫デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ツン
67
最後の最後で二人の関係が進んだ気もするけど、これで最後なのかな?もっと読みたいけど。本線の知財の話も面白かったですけどね。2024/08/12
よっち
28
会社の内部情報を漏洩の疑いを掛けられていた亜季を救った北脇。ふたりは瀬名を呼び出して反撃に出ようと試みる第4弾。亜季を侮っている瀬名を相手に、その心無い言葉にも冷静さを失わず今回の特許侵害にパテント・トロールが関与している言質を見事もぎ取ってみせた亜希。敵もボスが自ら出張ってきた月夜野ドリンクの看板商品を巡る攻防には緊迫感があって、現在進行形で進む判例の影響や、差止請求や特許無効請求といった状況を見ながら臨機応変に対応していく難しさもありましたけど、見事やり遂げてみせた2人の結末はなかなか良かったですね。2024/07/19
えも
23
知財テーマのお仕事小説、ついに完結!▼知財で稼ぐ悪質なパテント・トロールとの対決、特に裁判や無効審判口頭審理などの様子が論理的で、なるほどと思える展開。なんというか、勉強になりました、はい。2024/08/29
あおでん@やさどく管理人
18
シリーズ完結編。技術の独占という大きな力を与える特許権だからこそ、攻撃・防御の手段が複数あり、その中で様々な人たちの議論・検討が入っているのだと改めて実感する。1巻の最初からすると、亜季の成長は目覚ましい。知財のベースにあるのは法律だが、その審査や判断をするのはあくまで人。感情の部分もいい具合に持ちつつ、知財の知識と経験を吸収している亜季のたくましさを見習いたい。2024/07/21
よっしー
17
完結しました!! 亜希がピンチな状態に陥っていた問題に、無事決着がつきました。北脇との信頼関係はより強固な物となり、亜希自身も大きく成長したのではないでしょうか。だからこそ、喧嘩をふっかけてきた瀬名が小物に思えてしまいました。特許に関する訴訟についても勉強になりました。社名と背負っているからこそ、どちらも譲れないのも理解出来ますが、それを商売として引っ掻き回すのは何だかなとなりました。知らぬ世界を知れたので、お仕事小説としても楽しかったです。2025/05/26