出版社内容情報
高校に進学した冴島亘は、不眠に悩まされていた。三年前、父が病で亡くなってしまってからのことだ。不眠の症状が出るのは、母が夜勤で不在の夜だけなのだ。そんな中、幼い頃に父が読んでくれた絵本に、よく眠れる「魔法の呪文」があったことを思い出した。不眠が治るわけでもないと知りつつも、その呪文が気になった亘は絵本を探そうとするが、タイトルも著者も分からない。どうしようかと悩んでいると、同級生で問題児と噂のある三枝致留も同じ絵本を探していることを偶然知ってしまい……? 絵本と父の思い出をたどる、成長と友情の青春物語。
【もくじ】
1:脇役たちの物語
2:チョコレートとペア制度
3:秘密の場所
4魔法の呪文
5:ひとすじの希望の光
6:親の背中
7:月夜のお茶会
8:解き明かされた遠い青春
9:それぞれの想い
10:宝箱の中には
内容説明
高校に進学した冴島亘は不眠に悩まされていた。症状が現れるのは、母が夜勤で不在の夜だけ。亡き父が読んでくれた絵本に、よく眠れる「魔法の呪文」があったはずだが思い出せない。思い出しても眠れるわけじゃないと知りつつ絵本を探そうとした亘だが、作者もタイトルも分からない。途方に暮れていると、同級生で問題児と噂の三枝致留も同じ絵本を探していて…?
著者等紹介
樹島千草[キジマチグサ]
東京都出身。某大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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よっち
32
三年前、父が病で亡くなってしまってから不眠に悩まされていた高校生の冴島亘。幼い頃父が読んでくれた絵本に、よく眠れる魔法の呪文があったことを思い出す青春小説。不眠の症状が出るのは母が夜勤で不在の夜だけ。不眠が治るわけでもないと知りつつも作者もタイトルも分からないまま絵本を探そうとして途方に暮れる亘が、偶然同じ絵本を探している同級生で問題児と噂のある三枝致留と出会う展開で、意外な形で繋がっていた親世代同士の関係があって、気にかかっていたものも見つけられて、何より思いを共有して気軽に話せる存在が効いてましたね。2024/03/18
イシカミハサミ
11
男子高校生(しかも一部不良)×絵本 という組み合わせでさすがにちょっと幻想が過ぎるかな、という気はする。 それはおいておいても けっこう本探しの上で重要なキーワードは序盤に出ているので、 ちょっと大きめの図書館に行って司書さんにレファレンスをかけてもらえば 解決してしまいそうな話だなーと思いながら読めてしまった。 そういった邪念さえ振り払えば 残るのは爽やかな後味。2024/05/13
栗山いなり
6
不眠に悩まされている男子高校生の成長と過去の記憶の探索を描いた青春小説。何というか今風の青春物語だったかなと思った。けどそれが本作の味になってたかなと思ってる。それと終盤のシーンは普通に良いシーンだった2024/04/21
Hanna
2
中高生に読んでほしい本は?と聞かれたら、この本をおススメしたいと思う、とても良い作品でした。図書館の一般のコーナーで借りてきましたが、ヤングアダルトにも置いてほしいです。2024/12/09
よっしー
2
なかなか良かった。更荷くんはパティシエになった方が良いんじゃね?と思ったのは私だけではあるまい…そしてせっかく皆が苦手な鹿江先生の「別の面」を出したのに、そのあと亘たちとの絡みがなかったのがちょっと残念。2024/05/03